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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

光の大切さ

光が心の想いを伝えてくれる

涼しさを感じ始めると同時に少しずつお日さまの光も柔らかく感じる日々になりました。
真上から照りつける太陽の明暗のコントラストが夏的な表現の手助けをしてくれたように秋が深まるとともに柔らかな光の下で撮影ができるようになってきました。

写真は、光があってこそ写るものです。目の前にある物体に光が反射してその効果を色として見ています。人それぞれに個性があるように光にもいろいろな個性があると思います。
その互い(人と光)の個性がうまく一致したときシャッターを押してみたくなるのだと信じています。光を大切にすること、それが写真上達への一歩前進に繋がるでしょう。

光の個性を見つめてみる

写真的用語では、順光、逆光、半逆光、サイド光などと呼ばれてそれぞれ写り具合が変わって見える光の方向がよく使われます。意識的にその光の方向を使いこなすことで写真の印象が大きく変わってきます。とても大切な要素でもありますが、ここではそういう光の見方ではなく例えば、温かく感じる光、冷たく感じる光、寂しく感じる光、なんかウキウキしてくる光、など感情に訴えてくる光を考えてみたいと思います。
このような光の見つめ方は、言い換えれば自分が被写体に当たっている光から受ける第一印象を見つめ直しそれを写真にすることです。目の前の風景や人や物を見つめるときそこに光がどう影響しているかを考えながら写そうとしてみてください。「あぁーいいなぁー、撮ってみたいなぁー」と感じたらとりあえずシャッターを押して一枚撮ってみてください。
そこでその時、どんな光の状況で撮っているのかをじっくり考えてください。その繰り返しをしていくときっと自分が好きな光の雰囲気がわかってくると思います。

葉っぱの向こう側から朝の光が透過しています。この葉の向こう側にも葉っぱがありその隙間から射し込む光がきれいに並んだ葉を照らしています。わずかな光でも精いっぱいみんな仲良く浴びようと懸命な感じがしてシャッターを押しました。

朝顔の花に近づくと花びらの奥が光の透過光でほんのりと明るく光っているような感じをうけおしべとめしべが仲良くこちらを覗いている気がしてピント位置をめしべに合わせてシャッターを押してみました。

強い雨のため一時避難をした橋の下の風景です。左右対称の橋下駄を柔らかな光が包み込みとてもいい雰囲気を見せてくれました。ホワイトバランスを電灯光に設定しなおすとさらに印象的な感じになりました。普段見えない世界を覗いた気がします。

自分のお気に入りの光を見つける、カメラを持ったらそれを意識するだけできっと楽しい写真撮影の日々が続けられるでしょう。

※順光、逆光などのお話は第16回に記載してあります。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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