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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

はじめにカメラありき?

春が来ましたね~、自然現象の春はいつも通りやってきます。学生さんも新学期という新しい節目の新鮮さを感じている時期ですね。目から、肌から春を迎える準備が整い始める日々ではないでしょうか。
桜も忙しそうに桜前線に沿って日本国内を移動中です。桜を撮影するには結構体力がいります。色々な場所に出かけていこうとすれば睡眠不足にもなります。寒暖差が大きいので体調管理をしながら桜撮影を楽しみましょう。

今年も2月末から3月初めにかけてCP+2019(カメラと写真映像のワールドプレミアショー)が開催されてミラーレス一眼の新製品が色々紹介されています。カメラマニアの方々には気のおけない日々かもしれません。大手カメラメーカーも2020年開催の東京オリンピックを意識しているかのように次々と製品化され始めました。フィルムカメラで難しかった撮影がデジタルカメラで可能になりさらにミラーレス化で今までプロでしかできなかった撮影が簡単にできるようになってきました。これからも写真表現の世界は色々な広がりを見せてくれる楽しみがあります。同時にどのカメラを購入していけば良いのか悩むことも多くなってきますね。

写真を撮る上でカメラがなければ撮影することはできません。そんな時にどのカメラを選ぶかによってこれからの表現形式が変わってくることを意識するといいと思います。大きなプリントで見せたいのかA4程度のサイズで額に入れて飾りたいのかなど最終仕上げのプリントサイズを意識するだけでフルサイズ高画素がいるのかどうかの判断材料になります。また被写体の選択によっても高速連写が自分にとって本当に必要かどうかを冷静に考えることで機材選びが絞られてくるでしょう。レンズ選びも広角から超望遠までたくさんの種類があります。メーカーも高級志向を目指して新製品を次から次へと発表してきます。
たくさん揃えることに異論はないですが、何を自分が撮りたいのかをまず先に考えて無駄なく揃えていきたいですね。

もうお判りだと思いますが、カメラから写真世界に入るのではなく表現したいものがはじめにあってその道具としてカメラが必要なのだと考えて欲しいと思います。二十数年も昔ですがある時街中で一人の青年が、近くにコンビニはないかと聞いてきました。その青年が買いたいものは使い捨てカメラだったのですが、少し話しているうちにこの近くでどうしても写真に残しておきたい被写体がありカメラが必要なのだというわけです。普段自分は絵を描いているのだけれど街中を散歩していて突然(これは写真で写して表現したい)と感じたそうです。
いつもカメラをぶら下げて被写体を探している私にとってこの言葉はガーンと打ち付けられたように響きました。カメラを持っているから写真を撮るのではなく惹きつけられる素材が写真的表現に向いているからカメラが必要なのだと教えてもらった気がしたからです。後日その青年の写真を見せてもらったらとても面白い視点で撮影されてありました。今はどうしているのか定かではありませんが、いつまでも心に残っています。
自分の心に響く目の前の光景をたくさん見つけたいですね。

今月の一枚

去年に訪れた長野県の園原に咲く駒つなぎの桜と呼ばれている一本桜です。
多くのカメラマンが早朝から訪れる場所です。目の前の水田には水が張られて鏡の代わりをしてくれます。田植えはまだ先ですが写真撮影用に咲く時期に合わせて水を張ってくれています。

写真の左の山から日が出ます。その一瞬を狙うために夜明け前からカメラマンがたくさん待っています。写真マナーが問われる場所ですから自分勝手な行動は慎みたいですね。画角的には標準ズームレンズで間に合います。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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