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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

現場百遍

まだまだ、残暑が続く毎日ですが、明け方には少しずつ秋の気配が感じられるようになってきました。気温の変化が自然現象に色々な影響を与える季節だとも言えます。早起きすれば川や田んぼで霧や朝靄の綺麗な景色に出会えるかもしれません。

よく風景写真の傑作を撮影するには「現場百遍」が大切だと言われます。何しろ自然相手ですから何度もお気に入りの場所に通うことで1~2回では決して出会うことがない好条件の自然現象に遭遇できるかもしれないということですね。
この言葉はよく刑事物のドラマで使われていますよね。犯人が残した手がかりを得るために何度もその犯行現場に通って前回見たものとは違うヒントを見つけるために何度も現場に通うことを言います。写真の場合も自然風景写真以外でこの言葉を当てはめることができますよね。
動物写真などはその被写体の生体観察から始めて、実際の撮影はもっと先の話・・・ということがプロの撮影方法だとよく耳にします。

アマチュアの方が取り組みやすい風景でも四季を通じて観察データーを取ることは次回の撮影の大きな糧となっていくはずです。その年によって変化の時期は多少ずれるかもしれませんが、その地域全体の変化は大きく変わらないことが多いです。注意深く主役の被写体の周囲も観察しておきましょう。そして絶好の時期が近づいたらなるべく足しげく通うことをお勧めします。きっとそんなあなたに写真の神様がこれを撮れ!と素晴らしいシャッターチャンスを与えてくれるでしょう。そしてもう一つ「夜うち朝駆け」という言葉もあります。
人があまり起きていない夜明け前に準備して朝一の風景を狙ってみるのもいいでしょう。そこにはいつも昼にしか訪れていない風景が一変するほどの感動的な光景が見れる可能性があります。少しずつ涼しくなる今がそんな撮影方法を試してみる絶好のチャンスだと言えます。気象変化をうまく味方につけて他人が撮らない自分だけの美しい風景撮影にトライしてみてください。

今月の一枚

休業中のレストランの壁に夕方の光が印象的に当たっています。夏の日差しは夕方近くでも強く影を落とします。

この場面では色々な要素が写り込んでいるので絞りを少し開き気味にして壁と椅子に視線がいくように周辺を少しぼかしています。見せたいものは何かを撮影する前に決めておくことでピント位置や絞りの数値を決定しやすくなります。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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