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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

やわらかな思考

いよいよまた寒い季節に突入という感じの師走を迎えます。新型コロナ、インフルエンザ、そして風邪などに注意して毎日をお過ごしください。普段の健康のためにもカメラを持って外をよく歩くと良いと思います。

最近、SNSを見ているとInstagramで人気が出てそこから写真集や技術的な解説本を出版されているのをよく見かけます。昔からあるカメラ雑誌の出版社ではないところが注目されます。フォロワー数=注目されている度合い(人気度)が出版業界に新風を起こさせているのだと思います。今までの写真界とは違った若い次の世代の写真の世界が生まれ始めている気がします。きっと近い将来関連企業もこの人たちに注目していくと思います。若い彼、彼女たちのテーマの根本にはアニメの世界観を無視することはできないようです。そこから発想を得て目の前の光景を写真的に捉えていく。少女の後ろ姿を画面の中に写し込んだ写真などはアニメ映画のポスターで見かけるものによく似ています。

絶景風景なども自分の頭の中で理想と思える世界観があるからこそそれを映像化する意欲が湧くのだと思います。写真教室などで構図云々、どうのこうのと言ってる世界観ではこれからは置いてきぼりになってしまうかもしれません。

最近でも撮影現場などで若い人(特に女性初心者風の人)が写しているそばで高齢のカメラマン(ベテランアマチュア)が女性のカメラのモニターを覗き込んで横で色々と講釈している姿を見かけます。ご自分の技術的な指導を親切に教えてあげようという姿は立派なんですけれどこれ、はっきり言って迷惑だと思います。それは目の前の光景に対してどう写したいかを一生懸命考えながら集中していることを断ち切ってしまうからです。それよりも彼女のモニターを見せてもらってそのやわらかな思考から撮られている一枚を参考にして「あ〜こんな世界観もあるんだなぁ」という勉強に繋げて頂きたいと思います。

撮る時は自分のこだわりを持ち、見る時は自分の経験を捨てて新しい発見を探す気持ちで写真に接していきたいものですね。

今月の一枚

高山市上三之町の古い街並みです
雪がチラつく寒い日でも人力車で回ればゆっくりと楽しめる気がします。逆光で日差しが出た時にうまく人力車が街並みの中に来てくれました。
岐阜県高山市 24-105mm で撮影


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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