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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

味付け

今年の梅雨はいつもより早い気がします。雨の季節を楽しむ写真撮影時期にしたいですね。小雨のタイミングを見計らってシズル感を表現する撮影に挑戦してみてください。

先日知り合いの方から味付け海苔をいただきました。よくホテルなどの朝食に出てくるようなパックの海苔です。ご飯のお供に合う感じです。その海苔の味付けは甘辛くしてありおかず風でした。海苔本来の風味より甘辛さが目立ちます。
これを食べながら『写真の味付け』について考えました。
デジタルの高性能化に合わせてレンズも各メーカー(レンズ専門メーカー含)はより性能の良いものを次々と新製品として出してきました。高画素化のための解像力を高めた高精度な良いレンズです。同じボディーで古いレンズと付け替えて試してみると一目瞭然の違いがわかるほどです。大きなプリント作品にも耐えうる十分すぎるような性能ですね。高画素化とレンズの性能の日々追いかけっこですね。

でも写真自体の持つ表現効果はその高性能な写り具合だけではないような気がします。SNS上でいろいろ検索していくとオールドレンズと呼ばれるフィルム時代に使用されていたものを今のデジタルボディー(ミラーレス)につけて撮影している写真もたくさんあります。なぜかあまりはっきり写っていないけど逆に『味がある』雰囲気を楽しんでいる感じの作品もたくさん出てきます。オールドレンズが持つ個性的な『味』を表現にうまく利用する撮り方です。さらにデジタルカメラで(フィルム風)に仕上げるアプリなどもあります。表現の多様性が次々と広がっています。今ではfilm自体高価なものになり手軽には手を出しにくい時代になってきました。デジタルでフィルム風に味付けをするのが若い人たちに人気ですね。

フィルム時代のオールドレンズの欠点だった収差をレンズの『味』に変えてうまく利用して雰囲気を感じる写真にしていますね。
昔は安いレンズの周辺が流れたり、歪んだりするのを嫌って無理してでも高級なものを使うようにしていました(仕事なら必須)が今では中古レンズを扱う店でわざわざあまり写りが良くない安価なレンズを探すことも日常的なスタイルの一つになっています。ミラーレスのボディー化で他社のメーカーのレンズもアダプター変換で簡単につけることもできるようになってきました。
まだまだ、写真の世界観が変化している時代なんだなぁ、デジタルの旨味を追求できる方向が見えてきたのかもしれないと味付け海苔を食べながら思った次第です。でも本当に美味しい海苔はちょっとだけ炙ってそのまま食べるのが美味しいのですけどね・・・

今月の一枚

本光寺の紫陽花
愛知県額田郡幸田町にある紫陽花寺です。近くには形原温泉の有名な紫陽花園もありこの季節は賑わいます。
晴れた日よりも曇り日や小雨の中での撮影が似合う花です。できれば人影の少ない早朝が良いでしょう。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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