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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

道草

暑い暑い毎日をいかがお過ごしでしょうか?熱中症には十分気をつけてくださいませ。

写真することの楽しさは、どこからきているのかを仕事柄時々考えています。子供の頃に学校帰りの通学路での寄り道になにか「わくわく」したことはありませんか?遠い昔のことですから今のように車が激しく行き来する訳でもなく道端の側溝に小さな魚が見える時代でした。町中でも畑がたくさんあり初夏から真夏にはいろいろな虫たちが目につきました。そんな学校帰りの道中は、子供にとって遊びの宝庫でした。道草〈寄り道〉が当たり前の毎日で、ある意味観察することを自然に身につける学習の一つだったような気がします。今の時代では、少し無理なことかもしれませんが。

街中や旅行先のスナップ撮影にはそんな「道草」的な面白さを感じているのかもしれません。そこにあるものや目に見える事柄など直接持って帰れなくともその時出会った記録として撮影しているわけです。それを昇華して他人が見ても楽しめるように写す技術を駆使してこれでいいのかなと悩む行為が写真する醍醐味ではないでしょうか。
そんなスナップ撮影で作品に仕上げようと考えていく場合の注意点は、レンズの画角と自分が直接目で見ている画角がきちんと一致しているかどうかを確かめないと写した写真とこう写るだろうという期待の部分がうまく合致できません。それはレンズの焦点距離がもつ癖のようなものをしっかりと把握していないと頭の中のイメージとカメラという物理的な法則で写ったものとの間にギャップが生まれるからでしょう。簡単に言えば広角レンズで写した写真と望遠レンズを使って写した写真の雰囲気が大きくことなるということです。人の目に違和感がないように写る標準レンズがいいのか、広角で見える迫力感を見せたいのかなどレンズという物理的なもので写す注意点を意識しておきましょう。

これまで人生、仕事一筋まっすぐに一生懸命毎日を歩んできた方もたくさんみえるでしょう。せめて余生はゆっくりと歩んでいきたいと考えてみえればカメラを持って「道草」を楽しんでいくように写真を考えていただくといいのではないでしょうか。カメラは、道草というスローライフの道具だと思います。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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