文化講座
レンズ沼
秋も深まり自然を眺めると冬支度を始めている様子がわかります。
街の中にも深い秋の訪れを自然の色が教えてくれます。色や光はまもなく色味の少ない季節へと変わっていきますね。
カメラ機材の進化は、デジタル化によりものすごい勢いで進んでいます。しばらくは来たる東京オリンピックでの使用機材に向けて各社しのぎを削っているのでしょう。ミラーレス化の路線がやはり今の時点では最有力の様子です。
昔、私もフィルムカメラでドイツ製の LEICAというカメラを使っている時にレンズ沼なるものを経験しました。レンジファインダー方式ですから一眼レフカメラのように超広角から超望遠まで付け替えて撮影することはできません。
広角18mmぐらいから135mmぐらいまでが限度と言えるでしょう。18mm、21mm、90mm、135mmなどは別付のファインダーがないと構図をうまく作ることも難儀でした。使いやすい28mm~75mmの範囲を主力的に使いこなすカメラでもありました。じゃあそんなにレンズはいらないじゃないかといわれるかもしれませんが、50mmの標準レンズだけでも開放値の違いで4種類ほどありそれぞれのレンズがとても個性的に作られています。ですから作品の仕上がりをどう見せるかを考えて使い分けをするわけです。また50mmf1.4というレンズ一つでも作られた年代により個性的な写りが変わってきますので第一世代、第二世代・・・というように次々と欲しくなっていわゆるレンズ沼にハマっていくわけです。でも高価なそれらのレンズと今の時代に作られた入門機用レンズを比較すれば現代の安価なレンズの方が解像力などは優っていると思います。
ただレンズの味という厄介な部分では昔のレンズが面白いのかもしれません。
なぜこのような話なのかというとミラーレス機に色々なメーカーのレンズをつけることができるマウントアダプターがたくさん発売され始めたからです。
メーカーによっては昔のマニュアルフォーカスレンズをそのアダプターを通してオートフォーカスで使うことも可能にしています。ある意味レンズ沼の時代の再来と言えるかもしれません。撮る目的がレンズの味を知ることのみにならないようにそしてレンズ沼に深くはまらないように気をつけなければなりません。色々なレンズを取り替えてその写りを楽しむ、趣味としてはそんな付き合い方もいいかもしれませんね。そのオールドレンズが昔誰かの名作を残しているかも知れませんからね。
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
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