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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

秋の花を楽しむ

いつのまにか涼しい朝夕を感じ、秋の始まりの花たちが目立つ季節になりました。
今回は、秋の花たちをレンズの焦点距離の違いでどう撮影すればよいかをお話します。

花を撮影したいけれどどんなレンズがいいですか?とよく質問されます。
そんなとき私は、どんな感じの写真がお好みですか?とお聞きしています。
それはみなさんが花を見てどのように感じどう写真に残したいのかで選択するレンズが変わってくるからです。
自分の所有するレンズでどのような花の写真が撮れるのかをこの秋の花たちで試してみませんか?

□望遠系のレンズで撮影する
秋の花の群生を撮影するのに望遠レンズを使ってみましょう。
100mm~300mmぐらいの焦点距離のレンズを使って撮影するとその効果がよく解ります。一番の特徴は、被写体の前後の圧縮効果が出やすくなります。
目で見ている以上に花の密度が感じられる写真になるでしょう。
二つ目にボケの効果をいかした撮影に向いています。見せたい被写体にしっかりとピントを合わせ前後の花をうまくぼかして撮影すれば柔らかなイメージの写真に仕上がります。注意点は、ブレも目立ちやすくなるので場合によっては三脚が必要です。

彼岸花が川岸に咲きその奥にはススキが咲いていました。このススキにピントを合わせ手前側の赤い彼岸花は、ぼかしています。このように絞り値を開放近くにして撮影すると赤いフィルターを半分使用した感じで写りますポイントは、赤い彼岸花にレンズを思い切り近づくようにして撮影してください。柔らかな雰囲気の写真効果ですよね。

目の前に赤く魅力的な彼岸花に注意が行きがちな状況ですが、周囲の雰囲気をよく観察すると人と違ったイメージが出来上がります。もちろん折角ですから手前側の彼岸花にピントを合わせた写真も撮っておきましょうね。
数枚撮影したらすぐ次の場所に移動せずモニターの画像を確認しながらその場を再度考察する余裕が欲しいですよね。

このコスモスの花の群生も同じような効果を出す感じで撮影しています。
手前の花たちをぼかしてその奥の一列に並んだ一群にピントを合わせています。
望遠レンズの圧縮効果をいかして前後の花たちの密度を感じられるように写っています。

□ 広角系のレンズで撮影する
いわゆるワイドレンズと呼ばれている焦点距離のレンズを使って撮影すると前後左右広い範囲の被写体が撮影できます。群生するたくさんの花たちを一枚の写真に収めるにはいいでしょう。注意することは、レンズに近い被写体は大きく写り遠くのものはより小さく写ってしまうということです。手前の花をより誇張した感じで写すのには向いています。広い範囲が、写せるということは余分なものまで画面に入り込むことになります。カメラのファインダーやモニターをよく観察することが大切です。


 
この写真は広角系のズームレンズで撮影しています。広く写せる特長をいかして彼岸花の群生している様子を表現しています。立て位置の写真は、前後の奥行き感を出しやすくします。立て位置にすることで手前からずっと奥まで彼岸花が咲いていることが解りやすい写真になります。右上の木立が画面全体のアクセントの役目をしています。光線も半逆光になる時間帯を選択して立体感を感じさせるようにしています。
この様にレンズの選択を考えた撮影をしていくことが、写真のステップアップにつながります。折角そろえ始めたいろいろなレンズをうまく活用してより魅力的な写真を撮れるようにしてくださいね。

左の写真は、標準ズームでスナップふうに撮影しました。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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