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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

露光のこと 2

前回、撮影モードの概略を説明しました。まず、一眼デジタルカメラの面白さを知るにはフルオートモードから卒業してプログラムモードや絞り優先モード、シャッター優先モードにステップアップしてくださいとお話しました。これは、自分のカメラを自分でコントロールする楽しさや作品の仕上がりをあらかじめこんな風に仕上げようときめて撮影することが、可能だからです。
ここでまず、初心者の方がよく間違えることがひとつあります。ピント合わせのオートモードと撮影モードをいっしょに考えてしまうことです。レンズの横に付いているオート、マニュアルMの切り替えスイッチと撮影モードのマニュアル設定部のMをいっしょに考えてしまうことがあるのです。レンズの横のMは、ピントを自分で合わせるためのもので露出設定には、関係していません。これをよく理解しておいてください。

プログラムモードで撮影したら本当は明るいはずの被写体が、モニターで見ると暗く写っていたなんてことがあるはずです。又、逆に黒いものを写したのに実際のものより明るく(薄す明るく)写っていたなんてことも・・・
これは、カメラの機能が調子悪くなってしまったのかと思われたかも知れませんね。実はそうではなくカメラの露出計(TTL露出計)が正常に働いているからなんです。
ファインダーから見える被写体は、カラーで見えています。また、撮影された画像も当然、カラーで出ます。しかし、露出計で測ってみている世界は、白黒に置き換えて被写体を見ています
ファインダー上で見えているいろいろなカラーの世界を白黒に置き換えてその分量がどうなっているかを測っています。もちろん中間の濃いグレーや薄いグレーになる部分もあります。
そのトータルの白から黒までの濃度を計算してこの画像は、これくらいの露出だなと決めています。
でも基準値というものがなければ絞りはいくつでシャッタースピードはいくつということが決められませんね。その基準値の濃度が、18%グレーという明るさになります。ファインダーの中の見えている世界のトータルを18%セント濃度のグレーになるように数値をだしてそのときの絞りとシャッタースピードの組み合わせをセットしてくれています。
なんか難しくなってきましたね、では例をあげて簡単に考えてみましょう。
一面銀世界の雪景色を撮影するとします。ファインダーの中に見えている世界は真っ白な部分でいっぱいです。プログラムモードでそのまま撮影するとグレー系に傾いたきたない雪景色に写ってしまうでしょう。これが、カメラの露出計が算出した明るさの適正値なのです。

このように極端に画面の中に白い部分が多かったり黒い部分が多い場合は、人が見ている明るさと違った数値を出してしまいます。このために見た目どうりの明る さにするために露出補正という設定部分があります。暗ければプラス側に、明るすぎればマイナス側に補正して目で見えている感じに直してあげればいいわけで す。どれくらいの量を補正すればいいのかが又難しい問題ですが、撮影を繰り返しながら覚えていきましょう。

フルオートモードではこの露出補正ができないことも覚えておきたいことです。プログラムモードから補正が可能になります。
目で見えている画像の感じに近づける、これが露出補正だということです。モニターで撮影したものをどれくらい補正すればちょうどよい画像なのかを意識しながら撮影するようにしましょう。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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