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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

間合い

少しずつ世間が普通に戻ってきたようですね。目に見えないものに対処することの大変さを今回の新型コロナウイルスが教えてくれた気がします。まだまだ油断してはいけないですね。
季節はもう初夏に向かっています。春の自粛体制で出かけられなかった分、これから無理をせず取り戻していきたいですね。

皆さんが写真を撮っている時に緊張感を味わうことが多々あると思います。ファインダーを覗きながらフレーミングを決める時、ここだという位置にピントを合わせる時、シャッターボタンに手をかけて被写体のベストタイミングを見計らっている時などささやかな瞬間ですが緊張感を抱いているはずです。写真を撮る行為にはこれらの緊張感を味わう楽しさがあるからこそ楽しいのだと思います。この緊張感はカメラ操作がマニュアル方式に近づくほど増してきます。
フルオート設定にしてカメラ任せで撮れば綺麗に写りますが、ドキドキする緊張感はあまりないと思います。マニュアル操作部分が増えるほど失敗なくうまく写っているのか仕上がり画像に期待感が強くなってきます。この面白さや楽しさを皆さんに味わっていただくことでご自分の技術部分の上達もしてくると思います。まだまだオートばかりだという方はぜひ挑戦してみてください

ベテランの方々は無意識に上記の事柄を楽しんでいると思います。さらなる楽しみを増やすには、ズームレンズから単焦点のレンズに変えて撮影することをお勧めします。そこには"間合いをはかる"楽しみや緊張感があると思います。単焦点の長所は以前にも述べましたが、画質の良さ、開放f値が明るいなど物理的な良さばかりではなく今付けているレンズ(画角)でどう撮ればいいのかを考えながら被写体と素直に対峙できる面白さがあるからです。被写体との間合いがうまく一致した時撮る前に想像していた仕上がり以上の写真が出来上がるはずです。その"間合いをはかる"緊張感が撮る面白さをより高揚させてくれるのではないでしょうか。ちょうどその姿は、日本刀で竹などをいっきに切り落とす感覚に似ています。切り落とす竹との間合いをきちんとはからないと上手く切ることはできません。その時の緊張感はなんとも言えないはずです。そんな感覚を持ちながらシャッターを押してみる。撮る楽しさが倍増してきますよ。
そんなことが感じられるようになってくると自然体で被写体と対峙している自分を感じるようになってくるのではないでしょうか。

今月の一枚

静岡県にある有名な百合園です。
初夏の日射しが丘に咲く百合を鮮やかに描き出します。夏のイメージを感じるように木陰からカメラを向ける人をシルエットにして撮影してみました。真上からの光だから撮れる夏の姿です。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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