文化講座
愛おしむ
思っていた以上に大変な世の中になっています。4月に始まった新型コロナウイルス感染症対策に伴う「緊急事態宣言」による自主規制はいつまで続くのでしょうね?アウトドア派の人たちにとって辛い毎日だと思います。日常の中で日々非日常を感じることがたくさんあります。これだけテクノロジーが発達していても目に見えないウイルスに脅かされるなんて今まで経験ないことです。他人に対して自分がどう行動できるのかを試されているようです。
足下の草花に目を向ければ去年と変わりなく季節が進行していくのが感じられます。気分転換に近くを散歩がてらカメラを持ってブラブラするのもいいのではないでしょうか。"写真する"ってなんだろうと今一度考え直す良い機会だと思考をプラス側に切り替えましょう。
もの(被写体)を見る時どう捉えるかで写す方向性や方法が変わってきます。きれいな花を撮りたい気持ちは皆さん同じはずです。しかしどうして撮りたくなったのかをちょっとだけ考えてみるだけで撮り方が変わるはずです。
花弁がとても綺麗だから、形がかっこいいから、可愛く見えたから等いろいろ感じながら花を見ています。そこには花に対する愛しさがあるからだと思います。
このことが写真に撮る時とても大切なことなのですね。例えば広告などに使う写真の場合、イメージ撮影と商品単品の説明用の2種類に分けて撮影します。商品単品で撮る場合は、その品物がよくわかるように角度や光の当て方などに注意して形状を優先的に撮影します。花であれば花の形や葉っぱのつき具合など実際に見た時と違和感がない状態で撮ります。これがイメージ撮影になってくるとその花の雰囲気を優先的に考え被写界深度を浅くしてボケを効果的に使ったりします。ライティングもアンダーやオーバー気味の光で季節や時間を印象的に感じるように当てたりします。
おそらく皆さんが花の写真を撮る時に今日はこの花を見たよという記録的に捉えていくのではなく可愛く見えた、綺麗な光の下で咲いているという"花を愛おしむ気持ち"を最優先で見ているはずです。広告で言うイメージ優先の仕上がりを想像して見ているのではないでしょうか?花撮影でBOKEH効果が人気あるのは背景をBOKEHでイメージ的な印象にして主役を引き立たせるテクニックだからです。そのためにレンズ選びを知りどんなボケ方になるのかを調べておく必要があります。一般的にはオールドレンズから入門していく、開放値の明るいレンズを使うなど基本的なことを学んでおけばさらに楽しみが増すでしょう。ミラーレス一眼だからこそ多種なレンズが選択でき色々な表現が可能になっています。足下の花をより印象的に捉えることで癒し効果も倍増するのではないでしょうか。
今月の一枚
上の2枚は滋賀県の近江八幡で撮影したものです。橋の上から時間帯を変えて撮影しています。左側は午前の光で撮影、右の写真は夕方の光が差し込む時間に撮影してみました。光が当たる角度によって桜と堀川の水面の輝く印象が大きく違って見えます。左の全体に光が回った写真は説明的要素が強くなります。
被写体に当たる光をよく観察して印象的に見える時間帯を探すことも風景写真では大切です。24-105mm のズームレンズで撮影
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/