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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

切り取る

知らぬ間の秋・・・という感じで周囲を見回せば秋色が深まってきました。日本の四季を感じさせる最高の季節です。色づく楓の美しさに惹かれ旅の計画を立てて見える方も多いのではないでしょうか。天候や気温の変化が激しいのもこの時期の特徴です。風邪など惹かないように気をつけましょう。

写真撮影は目の前の光景を切り取る作業です。当たり前の言葉ですが、この切り取るという事をじっくり考えてみましょう。光景を切り取る、感じたもの(空気や光)を切り取る、その場で起こっている状況を切り取る、一瞬の時間を切り取るなど写真にはいろいろな切り取り方があることが分かります。カメラという道具の力を借りなければできない表現ですからその道具(カメラやレンズ)の持つ個性と自分の感性をうまく一致させないと思ったようには撮影できません。そのためには道具の使い方を熟知して自分の思った通りに写せるよう日頃から慣れておく必要があります。それは遠くに行かなければできない訳では無く日常の中から撮りたいものを見つけていくことで十分技術を磨くことができます。ただ(あっ!)と思った時にカメラがないと写すことが出来ないのが写真の弱点です。身近な手が届く所にいつも置いておきたいですね。

今回は日常を切り取る事から自分探しの旅をしてみます。

○自分の日常を切り取る、この作業で最初は何を撮って良いのか分かりにくくつまずき易いテーマかも知れません。うまく撮ろうとするよりも自分が伝えたいものがきちんと写っているのかを構図の中から確認してみましょう。

○きれいな光が見せたいものに当たっているかをよく観察します。逆光や反逆光を利用することで写真がイキイキしてきます。

○家には東西南北があり窓の近くにもそれぞれ光の当たり具合が違う事をよく観察しておきます。人物やペットなどを撮影する時にもどこの場所がそれぞれ適しているのかを試しておくのも良いでしょう。南側の窓辺は強い光が入りやすく北側からの光は柔らかな光が届きます。撮りたいものに合わせて場所を変えてみるのも良いでしょう。

○動くものを撮影するときは、先読みをして被写体がこう動くだろうと予測してみる。動物や子供など瞬間に動くものだけではなくテーブルに置かれたバナナやリンゴもゆっくりと変化しています。一番美味しそうに見える時期を待ち構えてみるのも大切な事です。日常を見つめることはある意味シャッターを押すためには妥協しない事を学ぶ練習につながります。

○一つのものを広く写したり近づいてクローズアップで見たりいろいろなアングルから観察したりしてそのものの最高を探します。

以上のことを参考にして普段のふとした瞬間を撮影することで自分の興味の対象がどこにあるのかがわかってくると思います。好きな対象物が見つかれば少し遠出した時にもそれらに近い対象物に焦点を合わせることができるようになるはずです。絶景風景だけが写真の対象ではなく自分自身を見つめ直す写真が撮れるようになると更に写真の本質に触れる楽しさが増すと思います。

そして一番大切なことは、興味を持ったものに繰り返し挑戦してたくさんシャッターを押すことだと思います。

今月の一枚

岐阜郊外にある岩井山延算寺です。
弘法大師によって創建された寺です。
高野山真言宗で国重要文化財の本尊薬師如来像が毎年5/5に年に一度ご開扉されます。庭園も美しく紅葉が綺麗な寺院です。
岐阜市岩井 2-1-25


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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