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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

シルエット

皆様、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年は新型コロナに振り回された一年でした。教室講座の中断やロケ地の配慮など人との関わり方を見直さなければ動きが取れない年でした。心機一転して気持ちを切り替え新しい時代を考えながらまた今年一年頑張っていきましょう。

寒い冬は何かと行動することが億劫になりがちですが、晴れた日の冬の光はとても魅力的だと思います。光と影が写真的に面白く見える季節です。早朝の日の出前後の柔らかな少し暖かみを表現できる光線や日が少し傾き始める午後3時過ぎの光と影の織りなす構図の面白さ、夕景の自分の影の長さを画面に入れて撮影する自撮りの楽しみなど身近な場所での撮影が充分できるでしょう。日の出時間も遅くて無理なく起きて撮影できます。川など水辺近くで運が良ければ気温差による川霧なども撮れるかもしれません。冷たい川の水が流れ込む海岸では海霧と日の出の組み合わせも可能です。天気予報と睨めっこしながら出かけませんか?予想通りに当たればきっと自然風景写真の面白さが倍増するはずです。

街中のスナップなども少し遅めの時間に歩くとビルや歩道に反射した強い光が魅力的に撮れるでしょう。画面に入る人なども強いコントラストを活かしてシルエット的に表現することも面白いと思います。ポイントはカメラの設定でコントラストをいつもより強めにしておきます。そして背景となる画面が明るい場所を選んでその背景の明るさが適正値で写るようにしておきます。手前の人物は黒く潰れて影絵のような感じで撮影します。広角系のレンズだとよりそのイメージ(光と影)が強調されてくるでしょう。また夕陽の海岸などでも赤く染まった背景に人物のシルエットを活かして撮影すれば動きのある写真ができます。

光と影の美しさをより深く観察できるのが、白黒(モノクローム)写真です。撮影する時点でモノクロ設定にして撮ってみましょう。目で見える赤や緑が白黒ではどういう白黒の濃度で写るのかをチェックしながら写します。黒からグレー、白に至るまでの色々な濃度差を構図に活かすように工夫して撮影しましょう。光の濃度差が構図的美しさを見せていることが理解できるでしょう。シルエットの面白さから一枚の写真にドラマを感じられるように撮れると良いですね。黒く潰れてしまうことを前提に撮る写真、そんな表現方法も冬の光ならではかもしれません。天気の良い日は写真日和、そんな冬にしたいですね。

今月の一枚

12月の初旬に訪れた新穂高ロープウェイの中から撮影しました。高度が増す度に周辺の木々は霧氷に覆われ白さが目立ってきます。山頂はうっすらと雪景色。モノクロームの世界観でした。ガラス越しに撮影する時は、室内の映り込みに気をつけてレンズの周辺から光が入らないようにします。朝一番に乗り場に待機しましょう。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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