文化講座
ボケ写真を楽しむ 1
今回は写真用語でいう「ボケ」を活かした写真を考えてみます。
一部分にピントがあっているがその前後はふわぁっとボケていて写真全体が柔らかな雰囲気で仕上がっている、そんな写真をよく見かけると思います。一眼レフカメラを始めるきっかけをお聞きしたりすると人物以外の前後をふわぁっとぼかした写真が撮りたいからという声も教室などでよく聞いたりします。一部のコンパクトカメラを除く一般的に市販されているコンパクトデジタルカメラではなかなかこのボケ味を楽しむ撮影方法は難しいのが現状です。そこで今回は一眼レフカメラを使ってこの「ボケ」をうまく使うコツを少しお話してみます。
ご存知のとおり、筆者のBlogにもこの「ボケ」写真はよく掲載されています。
もちろん写真には一番の特徴であるきっちりシャープに目の前の現象を記録する役目もあることを忘れてはなりません。表現という役割で写真を考えればどちらも同じ位置にある効果的な役割だと思います。だからこそ時代の流れとともに「ボケ」と「シャープ」が繰り返し表現に活用されてきたのでしょう。
ではボケ効果をより印象的に使っていくには何をポイントにしていけばいいのかを考えてみましょう。
◇ボケ具合=浅い被写界深度
絞り値を浅くする・・・F値を数字の小さいほうで使う
◇ピントを合わせた後ろ側の奥行き感を意識して構図を考える
背景に奥行きのあるものを選ぶ
◇開放値の明るいレンズを使用する
f2.8やf1.4などの数値のレンズが効果を大きくする
◇写す被写体の色の組み合わせをよく見る
ビビッド系よりコントラストの差が少ない柔らかい色の組み合わせを意識する
◇主役に当たる光の性質をよく考える
順光で捉えるより逆光気味の光のほうがその雰囲気を伝えやすい
上記のことから柔らかな雰囲気に仕上げるのがボケ写真表現には向いていることがわかりますね。
左の写真は前ボケに手前側に咲いていた赤い花を利用してみました。
レンズに花を近づけることで柔らかな色フィルターのような役目をしています。ピントは後ろの白い建物に合わせています。単純な画面構図になるのを色のバランスで雰囲気を変えています。
前をぼかす効果を「前ボケ」と呼んでいます
濃い色をぼかすより明るめの色を使ってぼかすことで仕上がりが柔らかな雰囲気になります。
ボケという言葉自体写真用語では世界共通で呼ばれるほど一般的な写真のテクニックになってきています。曖昧さや心の中の気持ちを伝える手段の一つだと思います。
次回もこの続きをお話しします。
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/