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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

基本と実践

外に出ることが多い写真世界にとって今の季節が、ベストだと感じる今日この頃ですね。
街中の秋景色も冬への準備の一歩手前というところでしょうか。
今回は、初歩の段階からステップアップするための方法論を簡単にまとめました。


カメラを初めて手にした頃は、カメラの取り扱いや自分の写したいものを探すなどとにかくカメラすべてに一生懸命だったはずですね。カメラの取り扱い説明書や写し方などの基本が書かれている解説書を読んで独学で勉強したり写真教室などで仲間を見つけていっしょに少しずつ進歩していくことを楽しんだりされているはずです。

私が教えている教室でも半年もすれば皆さんとてもうまく写せるようになり日々の努力が感じられます。デジタルはいつもお話ししているように簡単設定で写せば買ったその日からでも綺麗に写すことは可能です。写真がなぜ写るのかを学ぶことは後回しにしてとりあえず外に出てシャッターを押しさえすれば綺麗に写る時代です。
初歩の教室では、各自のカメラの設定をどうすれば作例のような写真が写せるのかが、最初の勉強になっています。写真教室で一年以上学ばれた方たちが、最初の頃にお話しした写真の基本的なことを撮影の実践のときに果たしてどれくらい結びつけながら写す応用に利用されているのかがとても気になっています。

写真の基本
露出(明るさ、暗さ)、レンズの絞りの役目、シャッタースピードの役目、レンズの焦点距離の違いによる写り方の違い、それらを手助けするためのISO感度の役目、ピントの合わせ方、ホワイトバランスのこと、これらの使い方や設定方法が初期の学習になります。

実際にカメラをもって外に出かけて写していると上記のことがうまく繋がらずになんとなく露出的に綺麗に写っているところで満足して終了というスタイルが多く見受けられます。後日プリントされたものを見せてもらうとその思いがいっそう強くなります。初歩の学習のそれぞれの意味は理解されているのですが、自分はこう写したいけれどどれとどれを組み合わせればそうなるのかが、あやふやな感じです。

写すためのステップ
◇絞りと被写界深度の関係を写したいものに応用することを考える
◇シャッタースピードの違いによる写り方の違いを確認してみる
◇露出(露出補正)とそれを変化させる絞りとシャッタースピードの組み合わせを考えてみる(光を取り入れる調節はこの二つだけです)
◇レンズの焦点距離による写り方の違い(画角の違い)を知っておく
◇カメラブレや被写界深度の補足としてISO感度を考える
◇被写体のピント位置と被写界深度の関係を知る
これらのことを目の前の光景に対してどう応用するかをいつも気にしながら写すことができるようになれば上級への少し手前まで進歩していると考えてもいいと思います。

そのことが自然にできるようになれば写真の構図ということもうまく収められるようになってくるでしょう。構図をうまくまとめることは写真の重要な課題ですが、その前にやはり上記の各ポイントをしっかりと把握できるようになりましょう。
紅葉も深まり、冬への入口の変化もある11月をしっかりとカメラで楽しんでみましょう。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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