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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

うわべと本音

写真に興味を抱きこんな写真を自分も撮ってみたいとカメラを購入して始められた方は、他人の写真を見ることにも興味深々ですよね。今の時代では雑誌、写真集、インターネット上の写真などありとあらゆるところで見ることが可能です。簡単に写真情報が見られる分どれがいい写真なのか判断も難しいかもしれません。

写真の習い始めのころは撮影技術の習得に必死ですから美しく切り取られた構図の写真をお手本にそれに近づく努力をされているはずです。これは言い換えればその写真のうわべだけをどう真似すればよいのかを習っているのではないでしょうか。もちろんお手本と同じ写真が撮れるようになればそこまでの撮影技術が身についたのだと確信できるでしょう。その時の状況がよければお手本以上の写真も撮れるでしょうね。しかし多くの方はここでストップして常に参考写真のうわべだけを超える努力へと方向を絞りがちです。せっかく頑張って習得した技術も参考写真のような写真が撮れることの満足感で終わってしまいがちです。ここからが本当の写真をめざすステップアップだと思います。

他人に自分の撮った写真を見せた時「うまいですね」と言われる満足感も写真を続けていく原動力にはなるでしょう。しかし一枚の写真から「あなたらしい雰囲気(心)が写っているね」と言われることを目標にしてほしいと思います。そんな言葉が聞ければ個性的な誰も真似することができない写真が撮れるようになっている証だと思います。そうなったと感じたらもう一度ネット上や雑誌の写真を見直してみてください。今まで見過ごしていたものやよく分からないと感じた写真が魅力的に見えてくるかもしれません。きっと自分が本当に撮りたかった写真の方向性が見えてくるでしょう。そうなれば例えばですが、
世界遺産の富士山を撮りに行って天気が悪く富士山が撮れなくてもその場所にある自分の感じた風景を見つけて撮影できるはずです。
うわべの写真が撮れる技術習得だけに満足せず、写真に自分の心が写っている"写心"をめざして頑張りましょう。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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