文化講座
ICM Photography
秋の入り口を過ぎ、日毎気温が下がっていくのを感じる今日この頃です。
秋色を探しに少し山奥に入ってみるのもいい季節です。
10月初旬に満開の蕎麦畑と三岐鉄道三岐線 いなべ市大安町
カメラで写す基本設定に欠かせないのがシャッタースピードと絞り値(f値)の関係を理解することです。レンズに入ってくる光の量をこの二つの箇所で調節して見た目通りの明るさにします。この光量を調節すること以外にもこの二つの箇所(シャッタースピード・絞り値)は自分がどう被写体を写したいのかを決定づけるのにとても大切な役割を担っています。
シャッタースピード
動くものを早いシャッタースピードで止めたり遅いスピードでわざとブラしたりすることができる
絞り値(f値)
ピントを合わせた被写体の前後をシャープに写したり、ボカしてふんわりしたイメージにすることができる。
上のように作画づくりにとても大切な役目を持っています。使用するレンズの焦点距離によっても二つの組み合わせの違いが出ます。基本中の基本のことなのでしっかりと理解しておきましょう。
今回はシャッタースピードを意識した作品作りで最近海外のS N Sなどでよく見かけるICM Photographyの紹介です。
I→Intentional (故意に、意図的に)
C→Camera (カメラ)
M→Movement(動き、動作)
3つの言葉の頭文字を組み合わせて作られた造語です。
わざと撮影中にカメラを動かしてブラした被写体に仕上げる方法ですね。
この撮影方法で大事な役目を担っているのがシャッタースピードです。
シャッタースピードを1/4秒、1/2秒、1秒などかなりスロースピードで撮影します。その時カメラを縦や横、回転などの動きをつけて動かすことで通常目には見えない動き(ブレ)の写真に仕上がります。ある意味偶然性が面白い作品になることも多々ある撮影方法です。日中明るい場所で撮る場合は、絞りとシャッタースピードの組み合わせが追いつかず露出オーバーになることもあるので NDフィルターをつけて調節します。
設定
シャッタースピード・・・1/4以下~ NDフィルターで適正値になるようにする
絞り値・・・F11,F16などを使う
ISO感度・・・100以下に下げる
撮影モードはマニュアルかシャッター優先モード
カメラの手ぶれ補正は切っておく(OFF)
左の写真のように上下にカメラを動かし撮影すると絵画調に見えます。
右の写真は早いシャッタースピードで撮ったため普通の景色になってます
あとは撮影中にカメラをうまく振り回してみてください(笑)
何度も繰り返し撮影して自分の納得のいく画像ができるまで撮影します。
気に入った絵作りになるまで根気よくシャッターを押し続けることが一番大切な要素です。デジタルカメラの長所である何枚もシャッターを切ることができる、その場ですぐ確認できることを活かしてカメラが作り上げてくれる写真を楽しんでみてはいかがでしょう。
海外のyoutubeやInstagramでICM Photographyを検索するとたくさんの方がこの撮影方法を楽しんで見えるのがよくわかります。身近な場所で撮影できるのもこの撮影ならではだと思います。
カメラを少し回転させながら撮影 |
カラフルな色を画面に取り入れる |
とにかく根気よくいろいろ試すと思いもよらない作品が生まれる可能性に富んだ手法です。2枚同じものができないオリジナル性の強い写真を作れます。
今月の一枚
関ヶ原の合戦の開戦地のすぐそばにフジバカマを咲かせている場所があるのでこの地で2~3週間ほど見ることができます。
戦国ブームの影響もあり開戦地、決戦地など関ヶ原町は賑わいを見せています
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/