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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

日常の中の非日常

気候が昔に比べると何か不安定に感じる今日この頃です。今年の梅雨が気になり始めています。写真を通して世界を見つめてみるといろいろな変化に気づきます。自然現象だけでなく社会の動きにも敏感になってきます。目覚ましい速さで進化するAI機能にも目が離せないですね。便利と不便のバランスをとるのが大変に感じるのは高齢になったからかもしれません。精一杯頑張るしかないですね。

花の撮影シーズンが一段落すると街中のスナップ撮影に切り替えるのが私の一年のルーティンです。遠くに出かけなくても撮影の楽しさを感じられるのがスナップ撮影の醍醐味ではないでしょうか。あれこれたくさんの種類のレンズを持ち歩く必要もありません。今日はこのレンズとこのカメラだけで見えるものを撮ってみよう、そんな意気込みで被写体を見つめるようにしています。散歩のつもりで出かけついでに少し気になったものをカメラで記録してみる。気負わずファインダーから見える景色(気配)を収めていきます。今までにもお伝えしてきましたが、たくさん撮ることから見えてくる(感じるもの)自分の視線の先にある何かを集めていくようにシャッターを切っていきます。

カメラを持っていなければ見落とすような出来事、風景、光や風の気配など日常的な風景の中から『非日常的なもの』を見つけ出す面白さがその人の写真の個性に表れてくるのがスナップだと思います。

ここで大切なのは構図をうまくまとめようとすることではなく多少傾いたりぶれていたりしていても自分がそのものに感動してシャッターを押しているかどうかだと思います。自分が感動していない被写体(目の前の光景)を写しても他の人がいいねぇとは感じられませんよね。

そしてもう一つは撮影したデーターを何度も繰り返し見直してみましょう。何度も全体を見直すことで『あっ、自分はこれが撮りたかったのだ』というインスピレーションが見つかります。それを感じたら共通するデーターを拾い出して一つのホルダーに集めてみます。数で言えば50〜100カットぐらい集めたものをさらに厳選していきます。30〜40枚に絞り込むと日常の中の出来事のスナップからその写真群が非日常的な写真的作品に見えてくるはずです。

小さなサイズでいいですからそれをプリントしてさらに見直します。順番なども考えて組んでいくと自分だけの物語が生まれてくると思います。

それらの写真で安価なフォトブックを作ってみると良いと思います。

一度試してみてください。

今月の一枚


手水の水中に浮かべる彩りの紫陽花で有名になった神社です。またハートの形をした紫陽花も見つけやすく女性に人気のInstagram映えするところです。
御裳神社 愛知県一宮市三条宮西1145


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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