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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

超がつくレンズの世界観

秋も少しずつ深まり始めました。今月半ばには街中でも秋の気配が色濃くなるでしょう。

ミラーレス一眼カメラも各メーカーが本腰を入れ始め、来年早々のカメラショーではさらに進化したカメラが出揃うことでしょう。レンズもそれらに合わせて新規に出てくることになります。趣味で使用する場合はメーカーサイドに踊らされずにしっかりと検討したいものです。その場合まず考えることは、自分が何を撮るのに使用するのかがポイントになります。色々な被写体に挑戦することは写真世界が広がりいいことですが、野鳥やスポーツなど特殊なものでは超がつくレンズを必要とします。その分高額なレンズが必要になり出費も大変です。

一般的には、16-35mm / 24-105mm / 70-200mm 程度の3本のズームレンズがあればほとんどの撮影は可能です。これに単焦点の50mmf1.4があれば、背景をフワッとボカした写真まで撮れてしまいます。しかしメーカーではこれ以上の超がつくレンズもたくさんあります。10mm前後の超広角、400mm以上の超望遠など一度は試してみたいレンズです。ファインダーをその画角のレンズで覗いてみれば目の前の光景がこんな風に変わって見えるのかと驚きを感じるでしょう。他人と違った写真が撮れるのではと考えるかもしれません。

超がつく超広角レンズや超望遠レンズは、確かに人の見えている感覚から大きく変化して見えます。言い換えるとレンズ自体が写してくれる写真世界ともいえるでしょう。レンズが独自の思想を持ち始める画角とも言われています。その分使い手が被写体をどう表現したいかをしっかり考えなければ、ただその超がつくレンズで変わった写真を撮るだけになります。
人の標準的な画角では見えない感じで写るので、被写体をどう仕上げていくのかを頭の中で想像しながら撮影しなければうまく使いこなせないレンズです。しかし自分の想像力とレンズの力がピタッと一致すれば、とても迫力のある世界を写し出すことができます。遠くて近づけないから超望遠を使うということ以外で使う気持ちを持つことが大切なポイントです。
超望遠だから遠くのものを大きく写すという一般的な使い方だけでなく、近接撮影で試してみても面白いと思います。300mm以上のレンズをお持ちであれば、一度ぜひ最至近距離で撮影してみてください。圧縮感や背景のボケなどが、きっと標準ズームでは味わえない見え方を感じると思います。大きく重いレンズですから三脚の助けが必要かもしれませんね。

今月の一枚

日陰のやわらかな日差しを利用してバラの花びらの描写をしてみました。
背景の垣根の白い部分が写り込んで奥行き感を感じさせています。
主役だけでなく背景にも注意して画面の構図を考えましょう。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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