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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

写真するって?

屋外の撮影でも過ごしやすい季節の始まりです。季節の変化の面白さを感じやすい時期になりました。
カメラを持って出かける機会もいっそう多くなりそうですね。今回はカメラの役割を少し考えてみたいと思います。

目の前のお気に入りの被写体をカメラで捉える。よく目にする言葉ですよね。写真はカメラという道具を使って目の前に存在する対象物を記録していきます。言い換えれば目の前の光景の外側を写し撮っていく道具を使ってそれを表現という内側に潜む効果に置き換える作業だと思います。外側をいかにうまくすくいとることができるかを学ぶことが、写真教室などで最初に学ぶ技術的な勉強になってきます。レンズのこと、絞り、シャッタースピードのこと、ISO、ホワイトバランス、・・・写真の基礎的な役割から構図、光の見方、風景やスナップ、花などを具体的にどう撮影すればいいのかなどを学ぶように進展していきますよね。フィルム時代であればここまで到達するには早い人でも数年はかかっていました。しかし、デジタルカメラの進歩のおかげできれいに写せるようになるまでにはそんなに時間がかからずにできるようになりました。毎日コツコツ撮影を続けてみえる方だとわずか半年ほどで構図のまとまりもよい、人に見せられる写真が撮れるようになれるでしょう。

ここまでは技術的な理解が最優先することです。しかし、写真を写心として見せることができるようになるには別のことを考えなければなりません。作例写真のようにきれいでカッコいい写真が撮れるようになるにはそれなりの技術的理解を覚えこまないとそんな写真には近づけません。でも作例と同じ写真が撮れたからといって人に見せても技術の向上を相手に見てもらうだけでしかありませんよね。写真を見るときの基準を考えるとその写真にその人の"感動"が写っているかを見ればよくわかると思います。どんな思いがその1枚に込められているのかを読み取ることが一番大切なことだと思います。ピントが少し甘くても露出が多少オーバー気味でも訴えてくる中身が強ければそれが本当の意味でのいい写真といえるのではないでしょうか。

写真を見せるときのよくある質問(1)に絞りは?レンズは何ミリ?カメラはどんなカメラを?などということがよく話題にされますが、大切なのは(2)どうしてこの写真を撮ったのかということではないでしょうか?
最初の質問(1)にはどんな機材とテクニックを使えば同じような写真が撮れるんですか?という意味に繋がります。後者(2)では、大きな意味で捉えればどんな生き方をしたいのですか?まで質問の意味が広がりそうですよね。
写真=写心と考えればやはり(2)の質問が大切な意味を持っていると考えられます。
これからもたくさんの写真展などが開かれます。そのとき、見る側に立って鑑賞する場合も見方を変えて写された心を感じる写真を探していきたいですね。
そうすればご自分が何をどう捉えればいいのかのヒントが見つかるでしょう。

(上の4枚の写真からなにを感じ取れたでしょうか?)

目の前にある外側を捉えて終わりではなく、心の内側を表現する写真を目差しましょう。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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