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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

個性について

今年はいっきに秋が通り過ぎ冬へまっしぐらの感じです。綺麗な秋の風景を探しにでかけてみえる方は大忙しですね。この記事が掲載される頃は街中で綺麗なイルミネーションが点きはじめていることでしょう。

今の世の中ではカメラで撮ることは特別なものではなく携帯やスマホまで含めると写真を撮る行為はごく当たり前に日常の中で行われていますよね。昔のように写真を撮る晴れの舞台は特別なものということがなくなっています。カメラの扱いからいろいろな撮影技術へと入っていくことがとても簡単になりカメラを購入したその日からとりあえず簡単設定で撮影すれば綺麗に写せる時代になりました。機種によっては雑誌などでよく見かける作風の写真さえ写せるモードが組み込まれています。 携帯やスマートフォンで写して誰かにメールで転送するのはその光景の共有をしようとしている行為ですよね。目の前の綺麗な風景を誰かに教えてあげたい、珍しいものを見つけたよ、おいしそうなものが目の前にあるよ、いまどこどこにいるよなど撮影しさえすれば記録と共有が簡単に情報として送ることが出来るのです。ネット上でも日々気が遠くなるような数の写真が掲載されています。これらのことをふまえて私たちは写真を撮ることの楽しみの方向性を見つけていかなければならないと思います。一眼レフカメラさえ持てばそれは作品撮りをしているのだと勘違いしがちになっていないかを考えないといけないでしょう。より深く楽しむためには何をすればいいのかを考えていくことが永く写真を続けていくには必要でしょうね。何を見つめればいいのか、目の前の対象をどうカメラで取り込めばいいのか、これらのことは絵画や小説にヒントがあるかもしれませんね。絵画や小説を見るときその人の生き様を知ろうとしたことはないですか?この表現はこの生き様から生まれたものなんだと結びつけたりしたことはないでしょうか?それらを知ることで作品を見る楽しみが広がったことはないでしょうか?
写真を見ることも同じように考えると撮るべきことが見つけられるのではないでしょうか。

写真を撮ることから個性を見つけるにはとても簡単な時代になってきたのかもしれませんね。しかし機材がよくなっても自分の個性は自分で見つけていかなければ携帯やスマホで撮った写真と同じ扱いの写真にしか見えない時代だと意識していかなければいけないでしょう。作品だと思える写真を撮るには技術だけでは表現しきれないものがあることを意識していかなければならないでしょう。いま一度撮られた写真を見返してその中に自分の生き様が写っているかを見てみませんか?

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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