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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

絵画と写真

秋の気配も少しずつ深まりゆく今日この頃です。秋の花、そして山の紅葉も始まっているでしょうね。カメラ片手に少し遠出もいい季節ですね。


最近撮影実習に出かけるとその現場で絵画教室の方たちの実習によく出会います。公園、遺跡、観光名所などやはり作画の被写体に共通するものがあるからでしょうか。時々その方たちの描く姿をつい観察してしまいます。そして写真を撮っている方たちとの違いを見ています。スケッチブックにお気に入りの目の前の光景を描く前にじっくりと観察している姿がとても印象的でした。両手で構図マスクを作り描くアングルを決めていたり前後左右に歩き回ったりと動き回っている姿が私の興味をひきました。コンパクトカメラを持って撮影してモニターをじっくりと見ている姿も見受けられました。カメラマンの方はやはりよく動き回っています。興味をひく対象が見つかるとすぐファインダーを覗きズームレンズで構図を見ながらシャッターを押しています。ベテランのカメラマンだと微妙にアングルを変えながらたくさんシャッターを押しています。

ふとこの両者の違いを考えてみました。絵画の方は、お気に入りの場所の位置をしっかりと決めてからでないと一枚の絵が描けない、だから描く作業に入る前にじっくりと観察する時間が始めに必要なこと。そして描きながら再び観察を繰り返しスケッチブックに筆を走らせています。一方カメラマンは、被写体を見つけるとレンズ選択やカメラの設定、アングルなどをチェックして即撮影に入っています。その後、チラッとモニターをチェックして次に移動をしていきます。デジタルだからこその光景かも知れませんが、一つの被写体を観察する時間の違いに改めて驚きました。
言い方を変えれば、被写体と会話している時間の違いに写真と絵画の方向性の違いを感じたのです。カメラは機械ですから描く部分はカメラに任せればいいわけです。しかしどう写っているかをじっくりと観察しなければ自分の表現したいものにはならないと思います。
この部分を理解して見える方は、やはり表現の広がり方が早く身についていく気がします。
撮影したモニターチェックをピントやブレのチェックだけで終わらせずにいま一度どう写したかったのかがきちんと写っているのかもチェックしてみるといいでしょう。
絵画の試行錯誤のやり方とカメラで写す試行錯誤の違いが気になっている今日この頃の筆者です。

(今月の上手くなるポイント)
プログラムオート、絞り優先モード、シャッター優先モード、マニュアルモード等を 上手く使いこなす

自分の撮りたい被写体に適した撮影モードを考えてみることでよりスピーディーに撮影することが出来ます。どのモードで撮影しても明るさ(露出)の原理は同じだということを考えてみる。基本の絞り、シャッタースピード、ISO感度の組み合わせで写ることを覚えておくこと。どう写したいかを絞りやシャッタースピードに置き換えることが大切です。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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