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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

伸びる人、伸び悩む人

あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願い申し上げます。


写真を撮っていてどうもご自分の作品の仕上がりに満足出来ないなあと感じ始めている方も見えるのではないでしょうか。独学で写真の教本を見たり写真教室に通って他の人の作品を見て比べたりしてどうも上手くならないなあと悩んでいる方もみえるでしょう。そんな悩みの根本的な部分を今回は探ってみようと思います。

まず写真を始められたきっかけを思い出してみましょう。とても魅かれた写真を見てこんな写真を撮ってみたいなとカメラを購入されたのではないでしょうか。そこには写真による表現のすばらしさに魅力を感じているはずです。カメラの機械的な取り扱いに面白さを感じて写真の世界を覗いてみようと思われた方もいるかも知れません。家族やペットをきちんと記録しておこうとして始めた方もみえるでしょう。きっかけは人それぞれでしょうが続けていくうちにあれも撮りたいこれもやってみたいと被写体の範囲が広がっているはずです。しかし慣れてくると自分の写真と他の人との写真の比較をしたくなります。このとき、写真の学び方についてどうすればいいのかを考え始めます。そうなのです、ここの時点が写真の向上を目指して先に進める上での重要なポイントだと思います。

デジタルカメラの場合は、写真の基礎部分をあまり知らなくてもカメラが自動で技術をカバーして綺麗に写してくれる時代になりました。自分が技術的な写真の基礎をどれだけ身につけているのか少し不安を持ち始めるのもこのころです。写真の何を知っていて何が解らないのかを確認することで無駄なく進歩することができるでしょう。そのためには写真検定というペーパー試験で知識を確認する制度があります。直接公的な検定試験を受けなくても問題集があるのでそれに挑戦してご自分の実力や写真の知識を確認されるといいでしょう。知っていることと知らないことを確認するだけでも実際の撮影のとき戸惑うことなく自信を持ってスムーズに作業することができるでしょう。この時点が問題なく進めることができる方は次のポイントですね。

好きな作例写真のように撮ることはできてもその先の自分なりに見せたい写真が撮れずに悩む・・・これはその写真の技術テクニックは理解できているけどその写真の作者が何を伝えたいのかをあまり理解していないところがあると思います。その写真を読む力を身につけることが必要です。内容の真似からさらにその人の見つめているものを感じるようになると撮影する意図が明確になってくるはずです。ただがむしゃらに真似をして技術的に追い付いても上手く撮れるけど楽しさを感じなくなってきていませんか。この段階では写真を読む力を身につける練習が大切な要素になってきます。たくさんの写真展や写真集を見ることをお勧めします。本当に好きな作家を見つけることでこれからの新しい目標ができるでしょう。そしてこの段階で大切なもう一つのポイントに気に入った写真をパソコンのデーターを眺めるだけではなく少し大きめのサイズでプリントして見てください。それは客観的に作品を見つめ直すのにとても役に立つでしょう。A3サイズぐらいが理想的です。そのサイズで写真を見るのとポストカードぐらいで見る写真の違いを感じるようになると思います。それでもやはりこの一枚はいいなと思えば他人に見せて感想を聞くと一層効果的な勉強になると思います。その繰り返しが伸びる写真へと繋がっていくはずです。

基本を振り返りステップアップを目指すには以上のような努力をしている方が「上手くて人に伝わるいい写真」を撮れるようになるのだと思います。そしてあたりまえですが、シャッターを押さなければ写真は写らないことを忘れてはなりませんね。
今年も「人に伝えることのできるいい写真」をめざしてがんばりましょう。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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