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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

写真を表現として考える

みなさんが美しいものや素敵な場所などに行かれた時、その感動を何かの形で残しておきたいということがよくあると思います。絵に描いてみる、詩や短歌、俳句などの文字にしてみる、写真で残しておくなど自分の気持ちを別の表現手段で置き換えてみることでその時の気持ちを何度も後で振り返ることができます。

カメラはその場で簡単に(取扱操作のできることを前提に)撮影することができます。

デジタルカメラであれば、モニターで確認することもできます。

そこで目の前の現実の美しくて感動している世界が、カメラの中にしっかり閉じ込められたかを見比べてみましょう。

「なんか違う」と感じたらそれは表現としての写真ではなく記録(目の前の複写)として撮影されたものになっているからだと思います。

人の目線は便利にできています。必要のないものや見たくないものは省略されて記憶のなかに記録されます。カメラのレンズを通すとそんな余分な現実までしっかりと記録されます。そこに目線と写し出されたものとにギャップが生じてきます。そのギャップをなくしていくことが写真技術の向上です。

花を撮る

これから秋が深まっていく時、また秋のきれいな花々が咲き乱れますよね。

今回は、花を主役にした撮り方を考えていきましょう。

ポイント1

画面の中の整理を考える

きれいにたくさんの花が咲いているとあれもこれもといっぱい一枚の写真の中に入れがちです。結果、何を見せたいのかが散漫になってきます。

画面をシンプルに整理して撮るように心掛けましょう。

いちばん見せたいのは何かを考えるこの場合は、コスモスの花に付いた水滴です雨の水滴で少しうなだれた花を近づいて撮影背景をボカすことで花に視線がいきます絞りの数値を小さいほうへ・・・

F11や16など大きい数値にせずF3.5や4ぐらいで撮影すると後ろがボケてきます


ポイント2

形の面白さを探す(アングルを考える)

根気よく姿形のおもしろいものを探し出し画面の整理を考えて撮影する。見ている目線の高さを変えてみるそれだけで新鮮な見え方ができるでしょう。 

この場合は、少し下から覗くように撮影しています茎の曲がり具合に面白さを感じ背景は空に抜いています

ポイント3

主役の花と脇役を考える

脇役を画面に入れることでその場の状況がよくわかるようになります。この場合もあまり欲ばらずにシンプルにまとめるようにしましょう。

次回も花の撮影についてお話する予定です花の撮影も結構、奥が深いですよ。

筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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