文化講座
モノクロ写真の楽しみ方
本格的な紅葉が見られる季節になってきました。日本の四季の表現になくてはならない季節ですね。訪れる場所によって紅葉の進み具合が違いますので、前もって情報収集することが大切です。インターネットでいろいろな情報を調べて出かけるのが無駄なく撮影できるコツですね。
四季を撮るときそこには色の情報が欠かせません。どれくらいの色づきできれいに感じるのかも色の情報が写真の中にあるからこそでしょう。また実際の被写体とカメラのモニターに写っているものとの違いをなくそうと、ホワイトバランスや色味の調整で悩むことも多いかもしれません。写真から伝わるイメージに色の情報がとても大切なことが分かります。
赤いリンゴを撮影したとします。カラーで撮れば単純に赤いリンゴとすぐ分かります。これをモノクロ(白黒)設定にして撮影すると少し濃いグレーに見えて写ります。光の反射具合や露出補正の調整によってはもっと明るいグレーに写るかもしれません。
明るいグレーであればひょっとして黄色いリンゴかなと感じるかもしれません。
赤いリンゴの情報を伝えたいのであればカラーで撮影するのが確実ですね。しかし、見る人に「想像」という楽しみを持たせるにはモノクロ写真がいいかもしれませんね。黄色のリンゴなのか赤いリンゴなのかを見る人が想像しながら一枚の写真を楽しむ。このあたりにモノクロ写真の面白さが隠されているのではないでしょうか。第45回の項目でも白黒写真のことに少し触れています。白黒にすることで光の姿が見えてくることをお話ししています。それ以外にも色がないことで逆にいろいろな楽しみがあることを今回お伝えしたかったのです。
デジタル写真では、撮影時はカラーで撮影して後で画像編集ソフトなどを使って白黒に変換できます。
同じ写真をカラーと白黒でプリントしてみてその感じ方の違いを見てみるのもいいと思います。カラーによって即情報が伝わることやモノクロによる想像の世界に入り込む楽しみなどを考えていただければ、さらに写真の世界の奥深さが分かってくるはずです。
見ること・・・そのことの意味をさらに深く追求できるのがモノクロ写真だと思います。
カラーで見る写真とモノクロで感じる写真の世界観の違いを知ることができると筆者は思っています。
カラー写真では色の美しさが最初に飛び込んできます。しかしモノクロ写真では、それ以外のその場の音や温度、匂いまで想像しながら見ていることにきっと気づくはずです。
そこにモノクロ写真の楽しさが隠れているのではないでしょうか。撮影時にモノクロ設定で撮影すると少しだけ昔のフィルム写真感覚を楽しめるかもしれません。
筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/