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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

4月の桜撮りのヒント

気がつくとTシャツ一枚で過ごしている、そんな季節が近づいてきました。人の少ない場所ではマスク無しで行動できる日常に戻りつつあります。お天気の良い日に少し遠出してのんびり桜撮影してみたいですね。

この季節はやはり桜がメインで4月の前半が過ぎてしまう気がします。あちらこちらに出かけたい桜撮影ですが、ほぼ一斉に咲き揃うため思ったほどいろいろな場所で桜を撮影することができません。今年の桜撮影はどこに行くか早めに下調べをしておきたいですね。毎年訪れるような場所もあると思いますが、毎回同じ様な写真の量産に悩んでいる方もいらっしゃるかも知れません。そんな時、目の前の桜の見方をちょっと変えてみたらどうでしょうか?ポスターなどの構図を真似するだけの撮影から少し意識を変えて自分なりの"ストーリー"を考えて桜を見てみます。
名前のついている(どこどこの・・・桜)のような桜でもその一本の桜の歴史を知ればそこからストーリーが生まれてきます。古木であれば自分の人生の何十倍もこの場所を見続けて過ごしてきた歴史がありそれを背景に重ね合わせればその桜の重厚さを撮りたい気持ちになるでしょう。そう思うことで光や影の扱い方が大切になる事を意識し始めいつどう撮れば最高の状態で撮れるのかを考えられるようになると思います。

桜並木などの桜もそこに何かストーリー(物語)を作っていけばただの記録的風景写真からイメージを伝える写真に変化していくと思います。もし自分が子供の頃この場所でこの桜を見ていたらどんな視点で見ているのだろうかと考えれば少し"ワクワク"してその場所に立てるのではないでしょうか。カメラアングルも少し低めになり青い空の背景に咲く桜が新鮮に見えてくるでしょう。
大きな枝垂れ桜を撮るのであれば一度その中に入ってみると見え方やストーリーが変わるでしょう(可能ならばですが)。枝越しに見える向こう側の風景をこの桜はこんなふうに見ていたのだという視点が生まれるはずです。

目の前の被写体と自分の考えた『ストーリー』を重ね合わせた撮り方で桜景色を撮影する、たったこれだけで毎年行く同じ場所での桜の見えかたが変わってくると思います。今年もたくさんの桜と出会いたいですね。
 *大切なポイント・・・満開の桜を撮ること、これにかなうものはないです

今月の一枚

岐阜市粟野の大龍寺です。だるま寺として有名なお寺です。市内の桜が終わる頃に満点星(ドウダンツツジ)の白い花が咲き始めます。庭園越しの背景の山全体が見事です。葉が赤くなる秋の頃も良いですね。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
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