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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

スローな世界を楽しむ

暑さが残る日々ですね、去年のように秋が急に訪れる年になるのかもしれませんね。慌ただしく季節が変わっていくのも最近の傾向のような気がします。地球大丈夫か?そんな不安も少し感じます。

最近カメラのレンズフィルター業界が元気なようです。いろいろなフィルターが出され表現が広がっています。撮影済みのデーターを画像ソフトを使って色々後処理で修整することはあっても撮影時に自分のイメージで描く世界を作り上げていくためにはフィルターワークをおろそかにすることはできません。風景撮影でも目の前の光景を見たままに撮影するためにはフィルターの助けが必要な時もあります。風景撮影でよく使用するフィルターといえば余分な反射を抑えるPL(CPL)やレンズに入ってくる光量を減光するNDフィルターなどがあります。また画面の明るすぎる部分(日の出の上空部など)を半分抑えるハーフNDなども最近付けて撮影する方を多く見かけます。
このNDフィルターにはいろいろな濃度の種類があり明るさに応じて光量を減らすために使用します。濃い色のフィルターを使って意識的にスローシャッターにして表現効果に活かして目では見えない世界を表現することもできます。

ND4,ND8,ND16,・・・ND400,ND1000と数字が多いほど濃いフィルターになります。水の流れや動きを表現するときにもよく使われます。何種類も出ていますが2種類(2枚)を重ねて使うこともできます。
ND16とND400を合わせて使用すると16×400= ND6400となります。(積算)ND16とND1000では16×1000=ND16000のフィルター使用に。
そして、露光時間の算出は・・・
NDの濃度÷フィルターを使用しないときのシャッター速度がその時の露出適正秒数になります。
例、、、 NDフィルターを使わない時、シャッタースピード1/250で撮影の場合にND1000を使用して撮るときにシャッター速度は1000÷250=4秒で撮影というように計算できます。
絞り値やISO感度を調整することでより遅いシャッタースピードで撮影することも可能です。


左の写真は通常に写したもの、右側の写真はND400を使用して写したもの

このように動くものをわざとブラして表現することで見えていない世界が写るようになってきます。

ぜひ、スローシャッターの世界に挑戦してみてください。
世界的に有名なスローシャッターを多用する写真家 マイケル・ケンナの写真集も参考になります。

今月の一枚


琵琶湖湖西北部の風景をスローシャッターで撮影してみました。風の影響で波があり曇り空でカラーより白黒で表現が良いように思えて白黒に切り替えて撮影。古い杭がリズム感を出してくれました。 F 13 8秒 ND400 使用

滋賀県高島市今津町


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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