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家計のサポート相談員のコラム

株式会社 マネースマート

2026年・2027年 高額療養費制度改正 「もしも」の安心を守るために変わる、高額療養費制度

 病気やケガで医療費が高額になったとき、家計の負担を軽減してくれる「高額療養費制度」。日本の公的医療保険制度の中でも、とても重要な役割を果たしている制度ですが、2026年・2027年にかけて大きな見直しが予定されています。

 ニュースでは「自己負担額が上がる」という点が注目されがちですが、今回の改正は単なる負担増ではありません。

 医療技術の進歩や高齢化に伴い医療費が増える中でも、公的医療保険制度を将来にわたって維持しながら、長期療養が必要な方や支援が必要な方をこれまで以上に守ることを目的とした改正です。

 2段階で実施される制度改正

今回の見直しは2回に分けて実施されます。

■ 2026年8月(第1段階)
月額自己負担限度額の見直し
年間上限額の新設
70歳以上の外来特例の見直し
■ 2027年8月(第2段階)
所得区分を細分化
所得に応じた、より公平な自己負担制度へ

 改正のポイント

今回の改正では、大きく3つのポイントがあります。

① 所得に応じた、より公平な負担へ
これまで幅広い所得が同じ区分だった部分を細かく見直し、収入に応じた自己負担額となります。

② 長期療養者への「年間上限」を新設
これまでは毎月の上限しかありませんでしたが、年間の自己負担額にも上限が設けられます。慢性疾患や難病など、長期間治療を続ける方にとって大きな安心につながります。
年収約200万円未満の方が長期間治療を続ける場合は、多数回該当の自己負担額が引き下げられます。

高額療養費 自己負担限度額の見直し[ 70歳未満 ]

所得区分
(年収目安)
標準報酬月額 月額上限(円) 【新設】年間上限
(月額平均)
現行 令和8年8月~ 令和9年8月~ 令和9年8月~
約1,650万円~ 127万円~ 252,600+1%
<140,100>
270,300+1%
<140,100>
342,000+1%
<140,100>
1,680,000円
(14.0万円)
約1,410~1,650万円 103~121万円 303,000+1%
<140,100>
約1,160~1,410万円 83~98万円 270,300+1%
<140,100>
1,110,000円
(9.25万円)
約1,040~1,160万円 71~79万円 167,400+1%
<93,000>
179,100+1%
<93,000>
209,400+1%
<93,000>
約950~1,040万円 62~68万円 194,400+1%
<93,000>
約770~950万円 53~59万円 179,100+1%
<93,000>
約650~770万円 44~50万円 80,100+1%
<44,400>
85,800+1%
<44,400>
110,400+1%
<44,400>
530,000円
(約4.42万円)
約510~650万円 36~41万円 98,100+1%
<44,400>
約370~510万円 28~34万円 85,800+1%
<44,400>
約260~370万円 20~26万円 57,600
<44,400>
61,500円
<44,400円>
69,600
<44,400>
約200~260万円 16~19万円 65,400
<44,400>
~約200万円 ~15万円 61,500
<34,500>
410,000円
(約3.42万円)
住民税非課税 35,400
<24,600>
36,900
<24,600>
36,900
<24,600>
290,000円
(約2.42万円)

※月額上限は特記なき限り1~3ヶ月目。< >は4ヶ月目以降の多数回該当
※70歳以上の外来特例(個人単位)も、非課税区分での年間上限(9.6万円)導入など、頻繁に通院する層の負担増を抑える激変緩和措置が講じられます。
※年間上限については、当初は患者本人からの申請に基づく「償還払い」となります。
※「+1%」は、一定額を超えた医療費に対して加算される負担割合です。
※表中の所得区分や自己負担限度額や年収区分は、厚生労働省の見直し案に基づく推計数値です。今後の政令公布により正式決定(確定)予定です。

 ここもチェック!

多数回該当(4か月目以降)の見直し

対象 現行 改正後
年収約200万円未満 44,400円 34,500円

長期間治療を受ける方の負担が約1万円軽減されます。

70歳以上の外来特例
外来自己負担限度額を見直し、住民税非課税世帯には年間9.6万円の上限を新設。
頻繁な通院でも年間負担が増えすぎないよう配慮。

 まとめ

 今回の高額療養費制度の改正は、「負担が増える制度改正」というよりも、制度を将来にわたって維持しながら、長期療養者や生活への影響が大きい方への支援を充実させるための見直しといえます。
 一部では自己負担額が引き上げられますが、その一方で、年間上限の新設や低所得者への負担軽減など、「もしものとき」に安心して治療を続けられる仕組みも強化されます。
 制度を正しく理解し、ご自身やご家族がどの区分に該当するのかを確認しておくことは、将来への備えにつながります。

久木田 康嘉
ファイナンシャルプランナー

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