文化講座
新社会人、親も家計の見直しを
4月に新社会人になった方も数か月が経過し、そろそろ家計管理のペースがつかめるようになった頃ではないでしょうか。子どもが社会人になったら、親もマネープランを再考してみましょう。
●支出を見直し、貯蓄を増やす。
これまで子どもにかかっていた教育費や仕送りなどの大きな支出がなくなり、親の生活にもゆとりが出てくる時期です。それに合わせて日常生活費が増大してしまわないよう、これまで子どもにかかっていた費用はできるだけ貯蓄しましょう。子どもが独立して一人暮らしをするのであれば、食費・日用品や水道光熱費なども少なくなるため、貯蓄もしやすくなります。実家で暮らし社会人として働くのであれば、生活費として、毎月数万円や手取り収入の2割程度など、親子で相談して生活費を入れてもらうのも一案です。実家暮らしは自分の収入で生活するという感覚がつかみにくいため、生活費を入れなくても、支出を管理することや将来のために貯蓄する習慣を身に付けておくことも大切です。
●必要な保障を見直す。
子どもが独立すると、万一があった場合に子どもの生活費や教育費として備えていた高額な死亡保障は不要になります。葬儀費用や残された配偶者の生活費について、貯蓄で賄えない部分を考慮し、減額を検討しましょう。一方で、子どもが独立する40代・50代以降は、年齢を重ねるにつれて病気など健康上のリスクが高まることから、加入している医療保障を確認しておきましょう。保険料はいつまで払うか、保障はいつまで続くか、どのような場合に保険給付の対象になるかを知っておくことも大切です。
●老後資金を確認する。
公的年金については、ねんきん定期便を確認しましょう。公的年金シミュレーターやねんきんネットで将来の年金受取額を試算することもできます。会社員の方は、お勤め先の退職金制度を確認しましょう。退職一時金や企業年金(確定給付年金・DBや確定拠出年金・DC)など、さまざまな制度があり、お勤め先によって異なります。また、個人で加入している、個人年金保険や満期保険金、iDeCo、預貯金や投資信託・株式などの金融資産も把握しておくと安心です。
子どもが独立してからご自身が退職するまでの期間は、最後の貯め時(3回目)と言われます。人生の貯め時のラストタイミングに、支出を見直し、貯蓄力をUPして、しっかり老後に備えましょう。
森 朱美
ファイナンシャルプランナー(CFP®)