文化講座
新紙幣と進むキャッシュレス化
今年7月から新紙幣がはじまりました。キャッシュレス決済の頻度が高いご家庭など、まだ渋沢栄一の新紙幣を見ていない方も多いのではないでしょうか。
経済産業省の公表によると、2023年の日本におけるキャッシュレス決済比率は39.3%となり、2025年の政府目標である4割普及に向けて堅調に上昇しています。またNIRA総合研究開発機構の調査結果では、個人の消費支出額におけるキャッシュレス決済比率は70.6%であり、こちらの数値の方が消費者個人の実感に近いかもしれません。
日常生活の決済方法や、子どもへのお小遣いなどが、現金からキャッシュレスに変化しつつある今、あらためてキャッシュレス決済の種類とその特徴をおさえておきましょう。
◆代表的なキャッシュレス決済の種類と特徴
キャッシュレス決済は、まず形状がカード型と、スマートフォンをかざすスマホ型の2つに分類されます。また、いつ支払うのかという決済方法が「前払い」・「即時払い」・「後払い」の3タイプに分かれます。そして近年は、カード型の専用アプリをスマホに入れて紐づけるスマホ決済も伸びています。
◆共通する注意点と、その対策
キャッシュレス決済の最大の注意点は、お金が見えないので使いすぎてしまうことです。また停電時などに使えない、利用できない店舗もある、個人情報や不正送金などの犯罪・セキュリティ問題への不安もあります。安全に使うために、しっかり対策を行いましょう。
1. 使いすぎ防止策
→ 自分が管理できるマイルールを決める。
例) カード枚数・アプリ数を抑える。毎月の利用限度額を決めるなど。
2. 停電時(災害時)など、使えない時の予防策
→ 現金と併用する。モバイルバッテリーの用意など。
3. 個人情報の流出・不正送金など犯罪の不安・セキュリティ対策
→ セキュリティに不安のあるサービスは使わない、また自己防衛策を強化する。
例) スマホなどから情報が洩れないように「セキュリティ機能」を活用する。
例) カード番号・パスワードなどは他人に教えない、同じパスワードを使い回さない。
例) 使用した際や、定期的に利用履歴をチェックして、不正利用を防止する。
例) 決済会社からのメールなどのURLリンクを不用意に開かない。(フィッシング詐欺を疑う)
新紙幣発行を機に、新紙幣に対応するシステムに切り替えずに、キャッシュレス決済をあらたに導入する店舗もあるようです。今後もキャッシュレス化が予想されます。現金と同じく、キャッシュレス決済のもとでは働いて得た大事なお金。各決済方法や特徴を理解し、ライフスタイルにあわせて、現金と上手く併用して下さい。
堀之内 千津
ファイナンシャルプランナー(CFP®)