文化講座
教育費の調達
受験、進学のシーズンです。受験されるお子様がいるご家庭は、何かと心配事が多いのではないでしょうか?
できれば希望通りの進路を進んでもらいたいものです。しかし予想以上に出費がかさんだり、思いがけず進路が変わることがあるかもしれません。その時、経済的理由で夢をあきらめないように、今回は奨学金・教育ローンについて考えていきましょう。
教育費はどれくらいかかるのでしょうか?
最も金銭的負担が大きいのは大学進学時にかかる費用です。
教育費を借りるなら、下記の①から順に検討していきましょう!
① 返還義務を負わない給付型奨学金
返済義務のない奨学金、つまりもらえるタイプの奨学金があります。成績や経済状況など一定の厳しい条件がありますが、各学校や地方公共団体・奨学事業実施団体などが実施しています。インターネットや進学先の学校等で利用できるものがあるかどうか、よく調べることが重要です。
② 日本学生支援機構の奨学金
独立行政法人日本学生支援機構の貸与型の奨学金です。
利息の付かない第一種奨学金と、利息の付く第二種奨学金があり、学生本人に貸与し、卒業後、学生本人が返還していくもので、第一種・第二種どちらも返済義務があります。
第二種奨学金の利息については上限3%ですが、平成26年3月末卒業の場合、利率固定方式は年0.89%、利率見直し方式は年0.2%となっています。
③ 国の教育ローン
100%政府出資銀行である日本政策金融公庫による「教育一般貸付」です。
子供の人数による年収制限があり、親が借りて親が返済するローンです。
完全固定金利で、年2.25%(平成26年12月10日現在)となっています。
④ 民間の教育ローン
銀行などが独自に取り扱っているローンのほか、大学が金融機関と提携している教育ローンもあります。金利は各金融機関で1~8%と様々です。
給付型奨学金のほかは全て借金であり、安易に借りることは危険です。まず、借りる前の段階で、学生本人にお金を借りて学校に通うのだという自覚を持たせることが大切です。そのうえで、親子で返済イメージや今後の見通しなどを考えていきましょう。
奨学金やローンを上手に利用することによって、お子様が目的意識を持って夢をかなえられたらいいですね。
宮田 かよ子
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社家計の総合相談センター