文化講座
自然災害への経済的な備えは?
私たちは地震や線状降水帯、大型台風などの自然災害と隣合せで暮らしています。災害時には命の安全を確保したのちに、生活再建のお金の問題に直面します。自然災害への経済的な備えについて考えてみましょう。
① 災害への経済的な備え
防災準備としてローリングストックが注目されています。ローリングストックとは、普段から少し多めに食品を買っておき、消費した分を買い足すことで、常に一定量の食品を家に備蓄しておく方法です。
経済的な備えも同様に、普段から我が家の家計状況、資産状況、共済・保険の加入状況を確認しておくことがいざというときの備えになるでしょう。
・日本FP協会『災害に備える くらしとお金の安心ブック』のPart Ⅲ 災害に備える〈リスト編〉に紹介されている財産目録フォーマットを参考に一覧にまとめておくとよいでしょう。またネット銀行などスマホやパソコンを利用する際の「パスワード」を、一覧表とは別紙にまとめておくと安心です。
日本FP協会『災害に備える くらしとお金の安心ブック』
https://www.jafp.or.jp/personal_finance/fresh/anshinbook
・どのような共済・保険に加入しているのか把握しておきましょう。愛知県共済のホーム火災共済では台風・洪水・地震などによる損害は保障されません。地震、風水災等への備えは住まいの保険+地震保険がおすすめされています。
愛知県共済 地震・風水災等に備える保険 https://www.aichi-kyosai.or.jp/totalassist/
・現金、小銭を手元に用意しておきましょう。日頃の買い物では、キャッシュレス決済を利用されている方も多いと思います。しかし災害時には停電や通信障害でクレジットカードやアプリ決済などが使えないことも考えられます。
② 被災したときには調べることが大切
被災した場合は、罹災(り災)証明書を取得しましょう。被災者生活再建支援金(基礎支援金と加算支援金の合計は最大300万円)、災害弔慰金(250万円または500万円)などの各種支援制度があります。
健康保険証などの重要書類を紛失してしまった場合は再発行してもらえます。また、各種支払いは期限延長や減額、支払い猶予などの措置がとられます。弁護士による無料法律相談もあります。根気強く調べてみましょう。
③ SDGs13「気候変動に具体的な対策を」
集中豪雨や、大型台風などのさまざまな自然災害は、地球温暖化が引き起こす気候変動が要因になっていると言われています。
様々な社会問題を頭で考えていると、辛くなってしまうこともあります。そんなときは冬の夜空を見上げてみるのはいかがでしょうか。冬の大三角をみつけてみましょう。星を眺めることで気候変動問題に対するヒントを得られるかもしれません。
今できることから少しずつやっていきましょう。
小泉 朱希
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社家計の総合相談センター