文化講座
新しいNISA・つみたて投資枠と成長投資枠
2024年1月に新NISAがスタートし、口座開設期間が恒久化され、非課税期間も無期限になるなど利用しやすい制度になりました。2023年までのNISAには、つみたてNISAと一般NISAという2つのNISAがあり、どちらか選択して利用するしくみでしたが、新NISAはNISAの中に、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠があり、併用することも可能です。
【つみたて投資枠と成長投資枠】
新NISAでは、1人につき総額1,800万円の非課税保有限度額が設けられます。非課税保有限度額のうち、成長投資枠で利用できるのは1,200万円までで、つみたて投資枠のみで1,800万円の枠を利用することもできます。売却した場合、翌年に枠が復活するため再利用も可能です。ただし、1年間の投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円、併用もできるので合計360万円となっています。
【つみたて投資枠の対象商品】
つみたて投資枠で選べる商品は、旧制度のつみたてNISAと同様です。株式に投資する投資信託や株式を含むバランス型投資信託が対象で、債券やREIT(不動産投資信託)のみに投資する商品は対象外です。また、購入時の手数料がゼロ(ノーロード)、保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)が一定水準以下など、長期の積立・分散投資を目的とした金融庁が定めた基準を満たした投資信託とETF(上場投資信託)に限定されており、多くがインデックス型の投資信託です。
つみたて投資枠の対象商品は、2024年2月29日時点で282本あり、金融庁のHPで確認することができます。
つみたて投資枠対象商品 : 金融庁 (fsa.go.jp)
【成長投資枠の対象商品】
成長投資枠は、旧制度の一般NISAを引き継ぎ、つみたて投資枠よりも幅広い投資信託や上場株式(個別株)を選ぶこともできますが、以下は除外されています。
成長投資枠の対象商品のうち、投資信託とETF・REIT等については、投資信託協会のHPで公表されています。 NISA成長投資枠の商品 - 投資信託協会 (toushin.or.jp)
インデックス型の投資信託でこれからコツコツと資産形成を始めてみようという方は、つみたて投資枠の利用を検討してみましょう。つみたて投資枠は年間120万円なので、毎月定額であれば月10万円の積立が上限です。つみたて投資枠対象外の投資信託や個別株に投資したい場合や自分の好きなタイミングで投資したい場合は、成長投資枠を利用します。なお、成長投資枠を使ってつみたて投資枠の対象商品に投資することもできます。
森 朱美
ファイナンシャルプランナー(CFP®)