文化講座
お金を2倍にする?72の法則
前回は「単利」と「複利」の違いについてご案内しましたが、今回は、お金を殖やす時に役立つ『72の法則』をご紹介したいと思います。
「72の法則」って?
72 ÷ 金利(%)= お金を2倍にするのにかかる年数(年)
「72」を金利で割った答えが、その金利で運用した時の、お金を2倍にするのにかかる年数となります。
例えば、大手の銀行の普通預金の金利は0.02%程度です。
0.02%で運用するとお金が2倍になるには・・・
72÷0.02%=3600年
気が遠くなりますね・・・。
この法則を応用して、10年でお金を2倍にするには、何パーセントで運用すれば良いでしょうか?
72÷金利=10年 ⇒ 金利=72÷10 ⇒ 答え=7.2%
長引く超低金利の中、7.2%で運用できる金融商品を見つけることは難しいですが、「バブルの頃は、郵便局に10年お金を預けると倍になった」という、うらやましい話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
海外に目を向けると、国内の金利と比べ、高い利回りで運用できるため、最近では、より高い金利を求めて外貨投資をされる方も少なくないようです。
金融機関で扱っている外貨商品の金利を『72の法則』に当てはめてみると、お金が2倍になるのも夢ではなさそうな高金利の通貨もありますよね。
72÷金利=?年
では、金利は高いほどいいのでしょうか?
国によっては、日本に比べ政治・経済において安定性がなかったり、インフレが警戒されている国もあります。投資をする際には、こうした背景をある程度、把握しておく必要があります。
また、実際に外貨投資をする時には、外貨普通預金、外貨定期預金の他、外貨MMFや外貨建て債券などの金融商品を利用することになりますが、ご存じの通り、外貨投資には為替リスクがあり、購入時より、円高になると損失が発生することも・・・。
特に流通量の少ない新興国などの通貨では、為替レートの変動がかなり大きくなるケースもあります。
高金利=利益だけに目を向けず、あらかじめ為替リスクもしっかりと認識しておく必要があります。
金融商品を選ぶ際のモノサシとして『72の法則』を活用し、自分のリスク許容度と合わせ、ひとつの通貨に偏らずバランスを考えながら、少しでも効率的に資産運用したいですね。
森 朱美
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社家計の総合相談センター