文化講座
活用しよう!ねんきん定期便
毎月納める年金の保険料を見て、将来いくら受け取れるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」には、ご自身の年金に関するさまざまな情報が記載されています。将来受け取る年金額の目安を知るためにも、しっかりと確認しておきましょう。
毎年届く「ねんきん定期便」を確認しよう
ねんきん定期便は、年金制度への理解を深めていただくこと等を目的に、日本年金機構から発行されるお知らせです。これまでの年金加入期間と保険料の納付額、加入実績に応じた年金額や見込額などが載っており、年齢によって送付形式や通知される内容が異なります。
通常は、三つ折りの圧着ハガキで届きますが、節目年齢である35歳・45歳・59歳はA4サイズの封書で届きます。また、50歳未満のねんきん定期便には「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されており、50歳以上は「(現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して計算した)老齢年金の種類と見込額」が記載されています。
簡単便利な「公的年金シミュレーター」を活用しよう
公的年金シミュレーターでは、ユーザー登録なしで将来の年金額を簡易に試算できます。ねんきん定期便に記載されている【年金見込額試算用二次元コード】からもアクセスでき、IDやパスワード等が不要のため簡単です。生年月日を入力し「試算する」をタップすると、現在の加入状況が60歳まで継続すると仮定して試算した年金額が表示されます。グラフ下にある、今後の年収・就労完了年齢・受給開始年齢をスライドバーで変えてみると、年金額が変化する様子が一目でわかります。この他に、自営業・会社員・パートアルバイトなどの働き方暮らし方を入力して試算することもできます。
詳細な内容は「ねんきんネット」を活用しよう
ねんきんネットに登録すると、より詳細な条件で年金額の試算ができます。過去の年金記録を月別に確認することもでき、国民年金保険料を納付していない期間や厚生年金保険の標準報酬月額に大幅な変更がある月などは、アイコンでわかりやすく表示されます。また、電子版のねんきん定期便(PDF)を閲覧・ダウンロードすることも可能です。ねんきんネットの利用登録は、①マイナポータルからログイン、②ねんきんネットのユーザID取得の2つの方法があり、ユーザIDの取得には、ねんきん定期便に記載されている「お客様のアクセスキー」(有効期限あり)を使用することもできます。
今後の暮らし方や働き方を考える上でも、将来の年金額をある程度把握しておくことが大切です。「ねんきん定期便」を確認し、記載内容に「もれ」「誤り」などあれば、年金事務所やねんきん定期便に記載されている「ねんきん定期便」「ねんきんネット」に関するお問い合わせ先に、問い合わせてみましょう。
森 朱美
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社マネースマート