文化講座
資産価値が残る長期優良住宅
日本では、築年数を経るにつれ住宅の資産価値が下がると言われています。アメリカでは住宅投資額の累計に対して住宅資産額がほぼ同じだけ残っているのに対して、日本では過去50年間で約500兆円も資産価値が下回ったという報告もあります。(国土交通省調査・土地資産は除く)
資産価値を残す長期優良住宅
国はこれを解消しようと2009年から「長期優良住宅認定制度」を開始しました。長期優良住宅とは、耐震性能や省エネ性能など一定基準の品質を有する住宅で、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅をいいます。
この認定を受けた住宅は、住宅ローン減税や固定資産税等の優遇措置を受けることができます。2023年までに新築戸建て・マンション合計で1,590,648戸が認定を受けています。
長期優良住宅の「義務」とメンテナンス費用の積み立て
長期優良住宅では減税メリットばかりが強調されますが、入居後も認定を受けた「維持保全計画書」にしたがってメンテナンスする義務があります。これを怠ると場合によっては罰則が科せられます。
そのため外壁や屋根、バルコニー等のメンテナンスを計画書通りに実施するために、住宅の仕様にもよりますが月額1.5~2万円を入居直後から積み立てておく必要があります。
分譲マンションのメンテナンス費用は、修繕積立金名目で毎月徴収されるのでそれほど意識する必要はありませんが、戸建て住宅では自ら意識して積み立てる必要があります。
積み立てた費用で適切にメンテナンスすることで、住宅の資産価値を残すことができます。
吉田 貴彦
ファイナンシャルプランナー(CFP®)