文化講座
積立のススメ≪老後資金編 1≫
前回お伝えした『人生の三大資金』の中でも、いちばん大きな資金になりそうなのが『老後の生活費』です。ご夫婦ふたりで必要となる老後の生活費は約1億円とも言われており、公的年金を除くと退職時に約3,000万円の資金が必要となりそうです。無理なく準備するためには、長い期間をかけてコツコツと積み立てていくことが大切です。
では、老後の毎月の生活をイメージしてみましょう。
収入の基礎部分となるのは、国から支給される公的年金ですが、ゆとりある生活を送るためには、それだけでは不足してしまうケースが多いようです。
上記を参考に、夫60歳、妻55歳のご夫婦のケースで、夫82歳・妻88歳までの生活費を合計してみるとどのようになるでしょうか。
夫婦の年齢差を考慮し、妻の平均余命までの生活費を考えると、やはり約1億円。
前述のとおり、老後の生活費は公的年金だけで十分とは言えませんが、公的年金は私たちの老後の暮らしを支えるありがたい制度です。一番の魅力は、なんといっても終身年金であること。生きている限り支給されるので、老後の生活の安心につながります。毎年誕生月に送られてくる『ねんきん定期便』や詳細なシミュレーションもできる『ねんきんネット』でご自身の過去の納付状況や将来の見込額を確認しましょう。
また、お勤め先に退職金制度や企業年金制度がある場合は規約や規定をチェックし、企業年金の種類、給付水準、受け取り方法などを確認しておくと安心です。
最近では、晩婚化で子供が独立する時期が60代になるケースが増えているほか、退職金や年金などが現在と同水準から見直される可能性もあります。ご自身のライフプランや社会保障制度を考慮しながら、計画的に準備をしましょう。
具体的な準備の方法について、次回からお話していきたいと思います。
森 朱美
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
株式会社家計の総合相談センター