文化講座
ホルムズ海峡を通す
みなさん、こんにちは! 4月号です。
清少納言が枕草子で「春はあけぼの」と綴ったように、白々と明るくなっていく明け方の空が美しいこの頃です。もうすっかり春ですね。
ガソリンをはじめ諸物価が上がって生活が厳しくなっている中、ちょっと良いニュースがありました。
「Iran prepared to let Japanese ships transit Hormuz. 」です。
「Hormuz」は Strait of Hormuz のことで「ホルムズ海峡」。ペルシャ湾とアラビア海を結ぶ海峡で原油輸送の要所です。「let Japanese ships transit」ですから、「日本の船舶を通過させる」。「let+〇+V原形」で「〇にVさせる」なので「Japanese ships を transit させる」つまり「日本の船舶を通過させる」になります。
日本の船舶がホルムズ海峡を通過できれば原油の値段が安定することでしょう。それが物価の安定につながると良いですね。
さて今月は、このニュースの中の表現「let+〇+V原形」を取り上げます。
let は「~させる」という意味の使役動詞のひとつです。使役動詞は他にmakeやhaveなどがありますが、同じ「させる」でも各々ニュアンスの違いがあります。letは「許可して何かをさせてやる」という意味です。強制的に何かをさせるのではなく、やりたがっていることを許可してさせる時に用います。
「ホルムズ海峡を通過したい日本の船舶をイランが許可して通過させる」という意味でletが用いられている訳です。
では、let が動詞なのに、なぜ、動詞の原形が後に続くのでしょうか。一つの文中に動詞は一つしか入らないはずですね。
実は、この動詞の原形は動詞ではなく、原形不定詞、つまり、toの無い不定詞なのです。そして、「OにVさせる」という意味になります。
例を挙げながら、確認しましょう。
| 1 |
let me go 私を行かせる |
I want to go to a concert in Tokyo. Let me go to Tokyo, Mom. 東京のコンサートに行きたい。お母さん、私を東京に行かせて。 |
| 2 |
let my son work 息子を働かせる |
That's a dangerous job. I can't let my son work there. それは危険な仕事だ。息子をそこで働かせることはできない。 |
| 3 |
let him insult 彼に侮辱させる |
She is not a liar. I don't want to let him insult her. 彼女はうそつきではない。私は彼に彼女を侮辱させたくない。 |
英文を作ってみましょう。
① 父は彼とデートさせてくれない。
② 私達の結婚式に彼らを招待させて下さい。
③ 前方にがけ崩れがあります。車を通すことはできません。
① My father won't let me date with him.
② Please let me invite them to our wedding.
③ There's a landslide ahead. We can't let the cars go through.
では、また来月お会いしましょう。

