文化講座
もし明日、台風が来たら
皆さん、こんにちは!10月号です。
今年の台風はとても勢力の強いものばかりで、日本だけでなくアジア全体で大暴れしましたね。台風のために休業した商店や企業もたくさんありました。「もし明日、台風が来たら、......。」を英語で言うと、「If the typhoon hits this area tomorrow, ......」となります。
えっ、tomorrow(未来)なのに hits(現在形)で良いの?と思いましたか。良いのです。
今月は、「未来を現在形で表わす副詞節」を取り上げます。
「副詞節?節って何?」と思った方は、第24回、2014年3月号を読み返して下さい。ここでは、句と節や副詞の働きを簡単に復習しながら「未来を現在形で表わす副詞節」をご紹介します。
まず、副詞の働きから。
副詞は「動詞、形容詞、副詞」を修飾します。例を挙げましょう。
I study English ①hard ②every day ③because I want to travel around the world.
(私はいつか、世界中を旅したいので、英語を一生懸命勉強しています。)
この例文で副詞の働きをするものを見てみます。
①hard | study(動詞)を修飾する | 副詞 |
②every day | study(動詞)を修飾する | 副詞句 |
③because I want to travel around the world | study(動詞)を修飾する | 副詞節 |
①②③いずれもstudy(動詞)を修飾しているので、副詞の働きをしています。
①は1語ですので副詞。②と③は2語以上の集まりが副詞の働きをしているので、副詞句か副詞節になります。副詞句と副詞節の違いが解りますか。②も③も2語以上の集まりが副詞の働きをしている点では共通していますが、③はその2語以上の集まりの中に主語と動詞を含んでいるので副詞節。一方、②は主語や動詞を含んでいないので副詞句です。
つまり、副詞節とは、「2語以上の集まりが副詞の働きをし、その中に主語と動詞を含むもの」です。
では、「未来を現在形で表わす副詞節」をご紹介しましょう。
節は必ず接続詞に導かれますが、時や条件を表わす接続詞が副詞節を導く時、その副詞節の中は「未来は現在形で」表わします。ただし、名詞節や形容詞節など、副詞節以外の節の中は、「未来は未来形」で表わしますので注意しましょう。
時や条件を表わす副詞節を導く接続詞の例を挙げます。
時を表わす接続詞 | when / while / as / until / till / before / after / as soon as / by the time など |
条件を表わす接続詞 | if / unless など |
例文を見ながら確認しましょう。
I'll finish my homework before my father comes home. 父が帰宅する前に、宿題を終えます |
before my father comes home は時を表わす副詞節 finishを修飾する |
He will try again and again until she says "Yes". 彼女が「イエス」と言うまで、彼は何度も試みるでしょう |
until she says "Yes" は時を表わす副詞節 tryを修飾する |
We will have a party when he comes back to Japan. 彼が日本に帰ってきたら、パーティをします |
when he comes back to Japan は時を表わす副詞節 haveを修飾する |
If it is fine tomorrow, we will go on a picnic. 明日晴れたら、ピクニックに行きます |
If it is fine tomorrow は条件を表わす副詞節 goを修飾する |
She will not open the door unless you show the card. あなたがそのカードを見せなければ、彼女はドアーを開けないでしょう |
unless you show the card は条件を表わす副詞節 openを修飾する |
では、英作をしてみましょう。
- ①もしあなたが夜遅く出発するなら、私が車で送りましょう。
- ②この花は、春が来たら咲くでしょう。
- ③母が戻るまで、私は家にいます。
- ①If you leave late at night, I'll give you a ride.
- ②This flower will bloom when spring comes.
- ③I'll stay home until my mother comes home.
いかがでしたか。未来を現在形で表わすルール、理解できましたか。
ではまた11月号でお会いしましょう。