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やさしい英文法講座

中日文化センター講師 日本福祉大学講師
中村 一子

看板がおしゃべりする?

みなさん、こんにちは!6月号です。
6月は、北海道を除いて日本中が雨まみれの季節です。湿度が高く不快な日々が続きます。「湿気や湿度」はhumidity、「湿度が高い」という形容詞はhumidity。日本の夏は暑いだけでなく湿度も高いので、hot and humidですね。口語では、蒸し暑くうっとうしいことをmuggyやstickyなどで表すことが多いです。
 「蒸し暑く、うっとうしい日々が続いて外出できない」は英語でどう表現すればよいでしょうか。「蒸し暑く、うっとうしい日々」を主語にすれば簡単に言えます。
 今月は「蒸し暑く、うっとうしい日々」のように生物でないもの、つまり無生物を主語にして表現する「無生物主語」を取りあげます。
人間や生物ではない無生物を主語にして、それが「人に~させる」という意味を表すことができます。英語ではよく用いられる表現です。
 無生物主語として用いられるのは、主に理由や原因、方法などを表す語です。 用いられる動詞は主に、make cause allow enable preventなどです。

ではいくつか例を挙げながら、使い方をみてみましょう。
主語動詞(意味)
原因
理由
make+人+do
(人に)~させる
The accident made us cancel the plan.
私たちは、その事故のせいで計画を中止した。
cause+人+to do
(~が原因で)~になる
The storm caused them to move out of the town.
その嵐が原因で彼らは町から引っ越すことになった。
enable+人+to do
allow+人+to do
(~のおかげで)~できる
The internet enables us to get any information easily.
インターネットのおかげで私たちはどんな情報も簡単に手に入れることができる。
prevent+人+from ~ing
(~のために)~できない
The heavy rain prevented me from going out.
私は大雨のせいで外出できなかった。
方法 lead+人+to+場所
take+人+to+場所
~へ導く
This street leads you to the station.
この通り行けば駅へ行けますよ。
This bus takes you to the airport.
このバスに乗れば空港に着きます。
情報源say+情報
~と書いてある
The sign says you can't swim here.
ここで泳いではいけないと看板に書いてある。
どれもよく見かける英語表現ですが、日本語ではあまり用いない表現方法です。このほかにも、bring や cost 、save など便利な表現方法があります。
英文を組み立てるとき、少し発想を転換すると英語らしいよい表現ができますね。
では、その英語らしい表現を「無生物主語」を使って組み立ててみましょう。
  • ①急用のため会議に出席することができなかった。
  • ②彼は数分バスに乗ると、大学に着いた。
  • ③壁の張り紙に、今日は休業と書いてある。
  • ④彼の援助のおかげで、私たちはそのプロジェクトを完成させることができた。
<解答>
  • ①The urgent business prevented me from attending the meeting.
  • ②A few minutes' bus ride brought him to the university.
  • ③The poster on the wall says it's closed today.
  • ④His help enabled us to complete the project.

いかがですか。英語らしい表現を自分のものにしてください。
ではまた来月号で!

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