文化講座
「省略」
皆さん、こんにちは!11月号です。
英国のエリザベス女王が亡くなり、新しい国王チャールズ3世が誕生してもう2か月近くになります。英国では、チャールズ3世の肖像入りコインが発行され12月には流通する予定ということです。また、片面にエリザベス2世の肖像、もう一方の面にはチャールズ3世の肖像が描かれた記念コインはすでに10月に発行されています。
この記念コインの部分を英語で表してみましょう。
Britain's Royal Mint released a commemorative coin in October. It depicts ElizbethⅡon one side and CharlesⅢ on the other side. (mint: 造幣局 depict: ~を描く)
(英国王立造幣局は10月に記念コインを発行した。そのコインは、片面にエリザベス2世、もう一方の面にチャールズ3世が描かれている。)
and の後には、it depicts が省略されています。
つまり、
It depicts ElizbethⅡon one side and (it depicts ) CharlesⅢ on the other side.
の文中、赤字の部分が省略されています。
今月は、英文中の「省略」を取り上げます。
英文中で省略できる部分は、基本的には「省略しても理解できる部分」ですが、関係詞などのように文法上省略できるものや、慣用的な省略もあります。ここでは、上に挙げた例のような「繰り返し(重複)を避けるための省略」と「慣用的に用いられる省略」を取り上げます。
では、例を挙げながら説明していきましょう。
| My parents live in Nagoya, and my sisters in Tokyo. (両親は名古屋に、姉達は東京に住んでいる。) ※andの後のliveを省略 |
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A: Why didn't you go to the party? B: I wanted to, but I had a car accident on the way. (A:なぜパーティーに行かなかったの。 B:行きたかったけれど、途中交通事故を起こしちゃったの。) ※wanted toの後のgo to the partyを省略 |
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I have been and will be on your side. (私はこれまでも、そしてこれからもあなたの味方です。) ※I have been on your side and I will be on your side.が省略をしていない文 |
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Q: Where are you going? A: Kyoto. (Q: どこへ行くの。 A: 京都よ。) ※Kyotoの前のI'm going to を省略 |
| (I'm)Sorry! (It's) Nice to meet you. |
では、何を省略するのが良いか考えながら、英文を作ってみましょう。
① A:早く家に帰ってらっしゃいね。
B:なるべくそうするわ。
② A:何が欲しいの。
B:卵が欲しいの。
③ 雨が降り続いていますが、しばらくは降り続くでしょう。
④ A:サイズは何ですか。
B:Lです。
⑤ お呼び出しいたします。山田智子様。7番ゲートまでお越しください。
① A: Come home early!
B: I'll try to.
② A: What do you want?
B: Some eggs.
③ It has been and will, for a while, be raining.
④ A: What size do you take?
B: A large.
⓹ Paging, Ms. Tomoko Yamada. Please come to Gate 7.
では、また来月!