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やさしい英文法講座

中日文化センター講師 日本福祉大学講師
中村 一子

道案内(会話)

 今月からやさしい英文法講座を始めます。旅先や街角で役立つ会話や身近な話題を題材にしたパッセージを取り上げ、その中に登場する英文法をやさしく解説します。今月は英文の成り立ち、骨格を学習します。
 皆さんは英文を組み立てる時、どんな語順で語句を並べますか。ついつい日本語と同じ語順で並べてしまったりしていませんか。例えば、こんなふうに。

 日本語と同じ語順で英単語を並べていては決して正しい英文はできないのです。
 英語には5つの文型がありますが、そのどれにも含まれるのがS(主語)とV(動詞)です。つまり、「誰が」「何をする」のかが、どの英文にも必ず含まれる要素で、これが英文の骨格になるのです。英文を組み立てる時は、S「誰が」とV「何をする」の骨格を作ってから、残りの要素を肉付けしていけば良いのです。

[1] 骨格を見つける練習をしましょう。

(1) このバス停には10分毎にバスが止まります。 骨格は・・・バスが止まる
(2) 私は毎週土曜日にカレーライスをここで食べます。 骨格は・・・私は食べる
(3) 彼は東京で一人暮らしをしている。 骨格は・・・彼は暮らしている
(4) 真実をあなたに話します。 骨格は・・・私は話す
(5) この本を読めば、それが解ります。 骨格は・・・あなたは解る

 (4)、(5)のように、日本語では省略されている主語もありますから、日本語を良く消化し、何が主語なのか考えなければならないものも多いですね。

[2] 骨格ができたら、他の要素をつけ足します。(2)の文でやってみましょう。

Sは? 私は I
Vは? 食べる I eat
何を? カレーライスを I eat curry and rice
どこで? ここで I eat curry and rice here
いつ? 毎週土曜日に I eat curry and rice here every Saturday.

 骨格を中心にしてunderstandableな英文を組み立てられるように頑張って下さい。

 では、道案内の会話を取り上げて、文の骨格を確認しましょう。
 まず、<Vocabulary(語彙)>をチェックしてから会話に入ります。(1)~(10)の語彙の意味をしっかり確認し、英語から日本語に、日本語から英語に直す練習を繰り返します。日本語を見てすぐに英語が口から出るようになったら、<Situation(場面 / 状況)>と<Dialog(会話)>に進んで下さい。

<Vocabulary>

(1)もちろん、はい sure
(2)右へ曲がる turn right
(3)左へ曲がる turn left
(4)そこへ着く get there
(5)歩いて2~3分 a few minutes' walk
(6)歩道橋 overpass
(7)街区、筋、区画 block
(8)~を横断する、渡る cross
(9)~の前に in front of ~
(10)ちょうど、すぐ~ right

<Situation>

 栄でショッピングを楽しんでいた智子に、アメリカ人旅行者Davidが話しかけます。道に迷った様子です。

<Dialog>

David :Excuse me. (1) Can you help me?
Tomoko :Sure! What's the matter?
David (2) I want to go to Chunichi Building. How can I get there?
Tomoko :Oh, it's only a few minutes' walk from here. Do you see that yellow overpass?
David :Yes.
Tomoko :Turn right there and walk two blocks. And then cross the big street. Chunichi Building will be right in front of you.
David :Let me repeat that. (3) I'll turn right at the yellow overpass and walk two blocks. And then cross the big street. Chunichi Building will be right in front of me.
Tomoko :You are right. It's a large brown building. You can't miss it.
David :All right. Thank you very much.
Tomoko :My pleasure!
デービッド すみません。(1)助けて頂けますか。
智子 いいですよ。 どうしましたか。
デービッド (2)中日ビルに行きたいのですが、どう行けばいいですか。
智子 ああ、中日ビルなら歩いて2~3分ですよ。あの黄色い歩道橋がみえますか。
デービッド はい。
智子 そこを右に曲がって、2筋歩いてください。そして大きな通りを渡ります。中日ビルは真ん前です。
デービッド 確認させて下さい。(3)黄色い歩道橋のところを右に曲がって、2筋歩き、大きな通りを渡る。そうすると中日ビルの真ん前ですね。
智子 そうです。大きな茶色の建物ですよ。すぐ解ります。
デービッド 解りました。有難うございました。
智子 どういたしまして!

 (1)(2)(3)の文で骨格、肉付けの確認をします。

(1)助けて頂けますか。

Sは? あなたは You
Vは? 助ける You help
誰を? 私を You help me

(2)中日ビルに行きたいのです

Sは? 私は I
Vは? ~したい I want
何を? 行くことを I want to go
どこへ? 中日ビルへ I want to go to Chunichi Building

(3)黄色い歩道橋のところを右に曲がって

Sは? 私は I
Vは? 曲がる I turn
どのように? 右に I turn right
どこで? 黄色い歩道橋で I turn right at the yellow overpass

 いかがですか。骨格を意識すれば、意外に簡単に英文が作れます。頑張って下さい。

やさしい英文法講座
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