文化講座
準動詞って何?
皆さん、こんにちは!12月号です。
新型コロナ感染者数が急速に減少し、今のところ落ち着いているようです。
そして、明るい話題がもう一つ。アメリカのメジャーリーグ(MLB)で活躍中の大谷翔平選手がMVPを受賞し、テレビなどが連日その活躍ぶりを特集しています。投打両方で活躍する二刀流(2-way player)で、ベイブルース以来の素晴らしい活躍ぶりだそうです。
明るいニュースがもっと続くと良いですね。
さて、今月は、準動詞について説明します。
準動詞といえば、動名詞と不定詞、分詞を指しますが、そもそも、準動詞はどんな働きをするのでしょうか、なぜ必要なのでしょうか。今月は、それを理解することが目標です。
「準動詞は動詞の意味を持ちながら、名詞や副詞、形容詞の働きをします」なぜ準動詞が必要なのでしょうか。
英文には、「一つの文に一つの(述語)動詞」という鉄則があります。しかし、表現したいことに動詞が一つしか含まれないとは限りませんね。そこで、(述語)動詞は一つ、その他の動詞は準動詞に変えることが必要になります。
例を挙げながら説明しましょう。
<例1>次の2文を比較します
①私は英語が好き。
②私は英語を勉強するのが好き。
これらの文をそれぞれ英文に訳すと、
①の文では動詞が「好き」一つなので、問題はありません。⇒ I like English.
②の文では、動詞は「好き」と「勉強する」の二つ。そこで、「好き」を(述語)動詞にして、「勉強する」を準動詞(不定詞または動名詞)に変えます。
⇒ I like to study English.
I like studying English.
※ここでは、to study や studying は like の目的語で名詞の働きをしています。
つまり、to study と studying は、動詞の意味を持っていますが、働きは名詞です。
したがって、一文中に、動詞 like と study が存在できるのです。
<例2>同じように、次の2文を比較します
①私は本を持っている。
②私はあなたに見せる本を持っている。
これらの文をそれぞれ英文に訳すと、
①の文では動詞が「持っている」一つ。問題はありません。⇒ I have a book.
②の文では、動詞は「持っている」と「見せる」の二つ。そこで、「持っている」を(述語)動詞にして、「見せる」を準動詞(不定詞)に変えます。
⇒ I have a book to show you.
※ここでは、to show は book を修飾し形容詞の働きをしています。
つまり、to show は、動詞の意味を持っていますが、働きは形容詞です。
したがって、一文中に、動詞と have と show が存在できるのです。
<例3>同じように、次の2文を比較します
①あの犬を見て。
②あの寝ている犬を見て。
これらの文をそれぞれ英文に訳すと、
①の文では動詞が「見る」一つ。問題はありません。⇒ Look at that dog.
②の文では、動詞は「見る」と「寝る」の二つ。そこで、「見る」を(述語)動詞にして、「寝る」を準動詞(現在分詞)に変えます。
⇒ Look at that sleeping dog.
※ここでは、sleeping は dog を修飾し形容詞の働きをしています。
つまり、sleep は、動詞の意味を持っていますが、働きは形容詞です。
したがって、一文中に、動詞と look と sleep が存在できるのです。
<例4>同じように、次の2文を比較します
①私は英語を一生懸命勉強する。
②私は教師になるために英語を一生懸命勉強する。
これらの文をそれぞれ英文に訳すと、
①の文では動詞が「勉強する」一つ。問題はありません。⇒ I study English hard.
②の文では、動詞は「勉強する」と「なる」の二つ。そこで、「勉強する」を(述語)動詞にして、「なる」を準動詞(不定詞)に変えます。
⇒ I study English hard to become a teacher.
※ここでは、to become は、study を修飾し副詞の働きをしています。
したがって、一文中に、動詞と study と become が存在できるのです。
理解できましたか。
一文中に述語動詞は一つ、でも、動詞の意味を持ちながら、名詞や副詞、形容詞の働きをする語句(準動詞)を複数含むことができるメカニズム、よくできていますね。
では、また来月!