文化講座
仮定法①
皆さん、こんにちは!新しい年最初の英文法講座です。一年があっという間に過ぎますね。英語で言うと「Time flies!」です。「一日が48時間だったら、もっとたくさんの事ができるのにね」と言いたい時は何と言うのでしょうか。実際は一日24時間しかないのに、48時間だったら・・・のように、事実に反する事を仮定する時は仮定法を用います。
今月と来月、仮定法を取り上げます。今月は「仮定法①⇒仮定法を用いた仮定」、来月は「仮定法②⇒仮定法を用いた願望」です。
仮定法と聞いただけで「わからない!」「難しい!」と思う方も多いようですが、仮定法は理屈を理解し、パターンを覚えてしまえば、決して難しくありません。ルール通りに文を組み立てれば必ず正しい文ができます。
まずは、「仮定法って何?」「普通の文(直接法の文)とどうちがうの?」という疑問を解消する事から始めましょう。
☆「もし~なら・・・」には二つの場合があります。例を挙げましょう。①と②を比較して下さい。
①1万円あれば、そのブラウスが買えるのになあ。 | <事実は>1万円を持っていない。 |
②1万円あれば、そのブラウスが買えます。 | 単なる条件で、1万円持っているかどうかは関知しない。 |
①は仮定法を用い、仮定法のパターン通りに英文を作ります。
②は仮定法は用いません。単なる条件なので、この文の場合は動詞現在形を用います。
<ポイント>「1万円あれば」の仮定の部分が、事実と反対の事を仮定しているかどうかがポイントです。
仮定法は、現在や過去の事実に反する事や、ありそうもない未来の事を仮定したリ、願望したりする場合に用います。 |
☆どんな場合に仮定法を用いるのか理解できたかチェックしましょう。
次の①~④の文を英語に訳す時、仮定法を用いるのはどれでしょうか。下線部が事実に反するかどうかに着目して考えてみましょう。
①空気がなかったら、人間は生きていけないでしょう。
②日本に四季がなかったら、退屈だろう。
③明日晴れたら、私達はピクニックに行くでしょう。
④昨日、東京に行かなければよかったなあ。
いかがですか。①②④は仮定法を用い、③は用いません。
①⇒「地球には空気ある」という事実に反する仮定ですから、仮定法。
②⇒「日本には四季がある」という事実に反する仮定ですから、仮定法。
③⇒「明日は晴れ」と言う事実はまだ無い。単なる条件ですから、仮定法は用いません。
④⇒「昨日、東京へ行った」という事実に反する仮定ですから、仮定法。
仮定法を用いる場合と、そうでない場合の区別がつけられるようになりましたか。
☆それでは、「仮定法を用いた仮定」のパターンを紹介しましょう。基本のパターンは二つです。
①現在の事実に反する仮定(仮定法過去)
②過去の事実に反する仮定(仮定法過去)
☆では、練習問題です。英語に直してみましょう。次の手順を参考に英作します。
<手順1> | 仮定法を用いるかどうか判断します。 |
<手順2> | 仮定法なら、現在の事実に反する仮定か、過去の事実に反する仮定か、を見極め、仮定法過去か仮定法過去完了か判断します。 (単なる条件の場合は、文の内容により動詞の時制を決めます) |
<手順3> | 仮定法のパターン①か②にあてはめます。 |
①もし彼らが昨夜、私を訪ねていなければ、私は10時前に寝ていたでしょう。
②私が鳥なら、あなたのところへ飛んでいけるのに。
③地球に水がなかったら、人間は生きていられないだろう。
④急げば、最終電車に間に合うでしょう。
⑤あなたが助けてくれなかったら、彼は試験に合格していなかったでしょう。
いかがでしたか。正解を次の通りです。チェックして下さい。
①If they had not visited me last night, I would have gone to bed before
ten.
②If I were a bird, I could fly to you.
③If there were no water on the earth, human beings could not live.
④If you hurry, you will be able to catch the last train.
⑤If you had not helped him, he would not have passed the exam.
来月は仮定法②「仮定法を用いた願望」です。