文化講座
「a house それとも the house ?」
みなさん・こんにちは!2月号です。
お正月気分もようやく抜けて落ち着いてきたところでしょうか。2月は、節分やバレンタインデーなど楽しい月ですね。バレンタインデーは、キリスト教の聖人バレンタインの記念日で、愛する人に贈り物やカードを贈る習慣があります。日本では、女性から男性へチョコレートを贈って愛を告白する日になってしまったようで、日本中、チョコレートを買い求める女性でチョコレートショップやデパートは大賑わい。チョコレート業界の戦術にすっかり乗せられている気もしますが、私も毎年チョコレートを買いに走ります。
「女性が男性にチョコレートを贈って愛を告白する。」
英語では、「Women give chocolate and declare their love to the men they love.」
さて、今月取り上げるのは冠詞です。
日本語には冠詞に相当するものが無いため、うまく使いこなせない日本人が多いようです。冠詞は2種類。不定冠詞(a/an)と定冠詞(the)です。この2種類の冠詞の用法を学ぶ前に、冠詞と名詞との関わりを理解しましょう。
冠詞は冠(かんむり)という文字からも解るように、「頭にかぶせるもの」です。つまり、冠詞はいつも名詞の前に置きます。英語では、冠詞はarticle。このarticleを初めて日本語に訳す時、冠(かんむり)即ち「頭にかぶせることば」と訳した人は、実に見事な訳を思いついたものだと思います。冠詞は、いつも名詞の前にあって名詞と共に働きますから、まさに、「名詞の頭にかぶせることば」です。
では、名詞が文の中に登場する時の「冠詞と名詞の関係」を見てみましょう。
例えば、「私は大きな家を持っている」を英訳します。
日本人の英訳で最も多い間違いは、✖「I have big house.」です。
文中の名詞houseには冠詞が必要です。
正しい文は、〇「I have a big house.」です。
名詞が文の中に登場する時は、特別な場合を除き、次に挙げる①~④、または①~②のどれか一つの形をとります。 ※所有格やsomeなど冠詞に代わるものがあるときは除く
数えられる名詞(例 house) | ① a house ② the house ③ houses ④ the houses |
数えられない名詞(例 coffee) | ① coffee ② the coffee |
では、定冠詞(a/an)と不定冠詞(the)の用法を比べてみましょう。
不定冠詞 | a/an | 不特定のものを指す | 「ある~、ひとつの~」の意味 There is a park in this town. この町には、公園がひとつある。 |
定冠詞 | the | 特定のものを指す | 「その~」の意味 どれを指しているか、話し手と聞き手が理解できている The park has a seesaw. その公園には、シーソーがある。 |
このように基本的には、特定のものを指す時に定冠詞、不特定のものを指す時に不定冠詞を用います。
英文を作ってみましょう。
① 昨日、幼い少年がここへ来ました。今日、コンサートでその少年をみかけました。
② (テーブルで)お塩を取って頂けますか。
③ 彼らはコーヒーを飲みながら話しています。
① A little boy came here yesterday. I saw the boy at the concert today.
② Please pass me the salt.
③ They are talking over coffee.
「冠詞と名詞の関係」と「冠詞の基本」が理解できたでしょうか。その他の用法は来月号で取り上げます。では、また来月!