文化講座
「makeで~する」
皆さん、こんにちは! 2月号です。
アメリカのロスアンゼルスで発生した山火事は、多くの家々を焼き、多くの死傷者を出しながら広がっています。山火事は英語で「forest fire」や「wildfire」と言います。この山火事の現場に真っ先に駆けつける山火事のプロ消防士、smokejumper は以前に紹介しました。覚えていますか。地上からのアクセスの悪い山中に、飛行機から飛び降りて駆けつけ、空と地上の両方から消火活動を行います。ロスアンゼルスでは、飛行機から消火剤を撒いている様子がテレビで報道されていますが、これもsmokejumper の仕事の一つです。現場では、山火事の煙や熱のせいで、呼吸するのも難しい状況だそうです。勇敢で立派なsmokejumpersですが、彼らの家族がインタビューに答えて「夫や父が、山火事の消火を終え帰宅するまで、毎日、心配で眠ることができない。」と語っていました。smokejumpersもその他の消防士達も命がけで山火事と戦っているのですね。
では、「山火事の近くでは、煙と熱で呼吸するのも難しい」を英訳しておきましょう。
「Smoke and heat make it hard to breathe near wildfires.」
今月取り上げるのは、「make + it + 形容詞 + to V+~」です。
基本の形は「make + O + ~(形容詞)」で「Oを~にする」の意味です。
例を挙げましょう。
The medicine made him healthy. | その薬は彼を健康にした。 (その薬のおかげで、彼は健康になった。) |
The machine will make the work possible. | その機械がその仕事を可能にするだろう。 (その機械を使えば、仕事ができるだろう) |
今月取り上げるパターン「make + it + 形容詞 + to V+~」は、この基本形「make + O + ~(形容詞)」のOが、形式目的語の「it 」で、本当の目的語は「to + V~」になったパターンです。つまり、「it=to +V~」。目的語にあたる部分が、1語ではなく、長い場合に用いられます。
例を挙げましょう。
The weather made it difficult to carry out the plan. | 天候がその計画を実行するのを難しくした。 (天候のせいで、その計画を実行するのが難しかった。) |
The new system made it easy to join community activities. | その新しい制度が地域活動に参加するのを容易にした。 (その新しい制度のおかげで、地域活動に参加しやすくなった。) |
では、英文を作ってみましょう。
① その提案は、協力して新しい計画を進めるのを可能にした。
(その提案のおかげで、新しい計画を協力して進めることができた。)
② AIは英語でレポートを書くのを容易にした。
(AIのおかげで、英語のレポートを容易に書くことができた。)
① The proposal made it possible to work together on the project.
② AI made it easy to write a report in English.
いかがでしたか。無生物が主語になる英語らしい表現ですので、使いこなせるように練習しましょう。
では、また来月!