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やさしい英文法講座

中日文化センター講師 日本福祉大学講師
中村 一子

強調

 皆さん、こんにちは!4月号です。お花見はできましたか。今年は、コロナ禍で、桜の木の下での花見の宴は難しかったようですね。
この時季に「花」といえば「桜」cherry blossomsですが、私の子供の頃の記憶には4月8日の「花祭り」があります。釈迦の誕生(the birth of Buddha)を祝うお祭りです。祖母に連れられて行ったお寺で、お釈迦様の像に甘茶をかけ、掌にその甘茶を少し頂いて口へいれる、その時の不思議な味を今でも覚えています。
 さて、今月は「強調」を取り上げます。第32回の講座で、強調構文を学習しました。
覚えていますか。少し復習しておきましょう。
It is that(   ).........」のパターンを用いて、(   )の中に強調したい語句を入れて作る構文です。

It is the window that Tom broke yesterday.
 the windowを強調
トムが昨日壊したのは、その窓です。
It is yesterday that Tom broke the window.
 yesterdayを強調
トムがその窓を壊したのは、昨日です。
It is Tom who(that)broke the window yesterday.
 Tomを強調
昨日その窓を壊したのは、トムです。

 今回はこの構文を用いないで強調する方法を学びます。
様々な種類の語句を強めて表現する方法がありますが、最も簡単な強調は「形容詞や副詞の強調」でveryやreallyを加える方法です。bigはvery bigやreally bigとするとbigを強めることができますね。
 では、「動詞を強調」する方法を紹介します。次の表の①と②をくらべてみましょう。
①は通常の文、②は同じ内容で動詞を強調した文です。

①通常の文 ②動詞を強調した文
You want a dog. You do want a dog.
They knew the news. They did know the news.
She lives in New York. She does live in New York.
Be kind to the others. Do be kind to the others.

違いに気が付きましたか。
動詞を強調するには、助動詞doを動詞の前に置きます。時制や主語の人称によって、didやdoesに変形させます。動詞は助動詞の後になるので原形に戻します。こうして動詞を強調することによって、「本当に~した」「~するにはした」という意味を表します。
次の①~③の文で動詞を強調してみましょう。
 ①She looks young.
 ②He ran to the station.
 ③I attended the meeting.
できましたか。次のようになります。
①She does look young.
②He did run to the station.
③I did attend the meeting.
では、どんな状況でこれらの動詞が強調されているのか、確認しましょう。

A:Mary is young,isn't she?
B:Oh,she does look young.

メアリーは実際に若いのではなく、若く見える。「見える」を強調している。

A:He missed the train. He walked to the Station,didn't he?
B:He did run to the station, but missed the train.

彼は駅まで歩いて行ったのではなく、本当に走って行った。「走った」ことを強調している。

A:You didn't come to the meeting,right?
B:I did attend the meeting.

ミーティングに行かなかったのではなく、ちゃんと出席した。「出席した」ことを強調している。

会話の中で、「ちゃんと~したよ」や「本当に~したよ」「~するにはしたんだけどね」と表現する時がよくありますね。映画やニュースの中でも、動詞の強調はよく見られます。
使ってみましょう。では、また来月!

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