文化講座
時制の一致
皆さん、こんにちは!しばらくお休みを頂きましたが、梅雨明けとともに再開させて頂きます。今月は「時制の一致」を学習します。時制の一致は日本人にはなかなか理解しにくい規則です。パターンを覚えてしまいましょう。そして、ネイティブにも響く正しい英語を話しましょう。
では、時制の一致ってどんな時に起きるのでしょうか。
以前、「句と節」を学習しましたが覚えていますか。時制の一致は、二つ(以上)の節が従属接続詞で結ばれている文(複文)の中で起きます。節とは、S+Vを含む語句の集りです。また、that やwhen、while、after、 before 、because 、till 、if などが主な従属接続詞です。従属接続詞で結ばれた節は主節と従属節に分かれます。
この主節の動詞が過去時制の時、従属節の動詞が時制の一致を受け、時制を一つ遡ります。即ち、現在形は過去形に、過去形は過去完了形に、などのように変わります。
主節の動詞が過去時制の時、従属節の動詞の時制は次のように変わります。
現在形 ⇒ | 過去形 |
過去形 ⇒ | 過去完了形 |
現在完了形 ⇒ | 過去完了形 |
過去完了形 ⇒ | 過去完了形 |
現在形の助動詞 ⇒ | 過去形の助動詞 |
理屈だけでは解りにくいですね。簡単な例を見てみましょう。
①「 私は彼が東京にいることを知っている」 | I know that he is in Tokyo. |
これを「私は知っていた」に変えると、 | ↓ ↓ |
②「 私は彼が東京にいることを知っていた」 | I knew that he was in Tokyo. 主節の動詞 know が過去時制のknewに変わったので従属節の動詞が時制を一つ遡って過去のwasになります。 |
では、もう一つ。 | |
①「 私は彼が東京にいたことを知っている」 | I know that he was in Tokyo. |
これを 「私は知っていた」に変えると、 | ↓ ↓ |
②「 私は彼が東京にいたことを知っていた」 | I knew that he had been in Tokyo. 主節の動詞 know が過去時制のknewに変わったので従属節の動詞も時制を一つ遡って過去完了のhad beenになります。 |
いくつか練習しましょう。主節の動詞が過去に変わると 以下はどう変わりますか?
①Many people say that he will come back.
Many people said that ( .)
②Laura thinks that she was wrong.
Laura thought that ( .)
③Everyone knows that she bought it on the Internet.
Everyone knew that ( .)
正解 | ①he would come back. |
②she had been wrong. | |
③she had bought it on the Internet. |
いかがでしたか。機械的に時制を変えるだけなので、難しくありませんね。
ところで、今時制の一致のルールにも例外があります。つまり時制の一致を受けない場合があります。
①普遍の真理 | Mother said that light travels faster than sound. 光は音より速く伝わるって、お母さんが言ってたよ。 |
②現在も変わらないこと | I didn't know that you can buy anything on the Internet. インターネットで何でも買えるって知らなかったなあ。 |
③歴史上の事実(いつも過去形) | We learned that America was discovered in 1492. アメリカは1492年に発見されたって習ったよ。 |
それでは、日本の行事を紹介する会話を見ながら時制の一致がどのように使われているか確認しましょう。
まず、<Vocabulary(語彙)>をチェックしてから会話に入ります。①~⑦の語彙の意味をしっかり確認し、英語から日本語に、日本語から英語に直す練習を繰り返します。日本語を見てすぐに英語が口から出るようになったら、<Situation(場面 / 状況)>と<Dialog(会話)>に進んで下さい。
<Vocabulary>
① | 団子 | dumpling |
② | 満月 | full moon |
③ | 作物 | crop |
④ | すすき | Japanese pampas grass |
⑤ | ~を鑑賞する | appreciate |
⑥ | 習慣 | custom |
⑦ | 許す | allow |
<Situation(場面 / 状況)>
健二の家にホームステイ中のJimは、天気予報を聞いて健二に質問しています。
<Dialog(会話)>
Jim | Kenji, did you hear the weather report? |
Kenji | No, what did the weatherman say? |
Jim | The weatherman says that a typhoon is approaching. |
Kenji | Hmm.....this is the second typhoon this year. |
Jim | Second typhoon? How many typhoons does Japan have every year? |
Kenji | Well, the average number is four or five. |
Jim | Oh, yeah? What's the difference between typhoons and hurricanes? |
Kenji | They are born in different places but their natures are almost the same. |
Jim | Really? I thought they were quite different. |
Jim | 健二、天気予報聴いた? |
Kenji | いや、聞いてないよ。なんて言ってた? |
Jim | 台風が近づいているって。 |
Kenji | ふうん。今年二つ目の台風だね。 |
Jim | 二つ目?日本には毎年いくつ台風がくるの? |
Kenji | そうだねえ、平均すると四つ五つかな。 |
Jim | へえ~。台風とハリケーンはどこが違うの? |
Kenji | 生まれる場所は違うけれど、性格はほとんど同じだよ。 |
Jim | 本当?この二つは全く違うと思ってた。 |
いかがでしたか?時制の一致が起きている部分は赤字になっています。台風のことを英語で話せるといいですね。それでは、また来月!