皆さん、こんにちは！　10月号です。
イギリスのエリザベス女王が亡くなり、国葬が行われ、世界中の要人が出席しました。Buckingham宮殿からWestminster Hall、さらに、Westminster Abbey(寺院)まで、女王の棺に寄り添ってroyal familyが徒歩で行進したり、数多くの国民が女王に別れを告げるために国中からロンドンにやって来て、何十時間も列に並んだりする姿は胸を打つものがありました。
それにしても女王が亡くなってから葬儀まで様々な行事を粛々と混乱なく執り行ったイギリスの対応は鮮やかでした。女王がいつ、どこで、どんな形で亡くなっても混乱なく迅速に対応できるように、全ての段取りが決められているLondon Bridge Operation なるものが存在していたということです。
London Bridge Operation は "London Bridge is down."（ロンドン橋が落ちた）というcode phrase で始まる「エリザベス女王の葬儀計画」で、1960年代に作られ、何度もリバイスされてきたそうです。エリザベス女王が亡くなったことを、首相はじめイギリス国教会、警察、軍隊、メディア他、キーパーソンに知らせ、アナウンスメントから国葬の詳細まであらゆる段取りが前もって決められていたのです。本当に鮮やかでした。
さて、今月は先月に続いて、代名詞の一つ、代名詞の中でもちょっと解りにくい「other」を取り上げます。otherは形容詞として「他の～」の意味で使われることも多い語ですが、ここでは、代名詞で「他のもの」の意味を表すother を取り上げます。
文中では、other は次の4つの形で用いられます。
　①　the other
　②　another (an + other)
　③　others
　④　the others
以前取り上げた、数えられる名詞の文中での形、覚えていますか。それと同じですね。
例えばpenは、
　①　the pen
　②　a pen
　③　pens
　④　the pens
この4つの形のどれかが文中で用いられます。
つまり、「私はペンを持っている」はI have pen.では正しくないのです。
では、この4つのotherの使い方を比べていきましょう。

the other	「他のもの」が一つしかない時 I have two cats. One is black. The other is white. 二匹の猫のうち、一匹は黒。残っているほかのものは一匹だけ。 したがって、他の猫は the other で表す。
another (an + other)	「他のもの」が複数あって、その中の一つ「他のものの中の一つ」を指す時 There are many bags in the store. I don't like this bag. Show me another. 気にいらないバッグの他にたくさんバッグあって、その中の一つを見せて欲しいと言っているので、another を使う。
others	「他のもの」が複数あり、その中のいくつか「他のいくつか」（複数）を指す時 Some boys are wearing T-shirts. Others (are wearing) sweaters. 何人かの少年はTシャツを着ており、その他の少年のうちの何人かは、セーターを着ている。
the others	「他のもの」が複数あって、その「他のものすべて」を指す時 Look at those boys. One is my brother. The others are my cousins. 少年達のうちの一人は兄弟で、他の少年は全員、従弟。 したがって、「他のものすべて」を表すthe othersを使う。

使い方が解りましたか。いろんな例にあたりましょう。
では、また来月！