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やさしい英文法講座

中日文化センター講師 日本福祉大学講師
中村 一子

「もうそろそろ」

皆さん、こんにちは! 3月号です。

今年は豪雪に苦しめられた冬でしたが、ようやく春の足音が聞こえてきたようですね。

4年ほど前から、小学校で英語の授業が導入され、外国人講師らによる英語のレッスンが実施されていることは、皆さんよくご存じですね。ところが、小学校での英語スタート翌年の調査によれば、この英語の授業を受けている生徒の1/3が英語学習は好きではないと答え、その数はさらに増えているそうです。

中学校で、文法などを含め本格的に英語学習を始める前に、子供たちには英語に慣れて欲しい、会話などを楽しんで欲しい。そして、英語は楽しいと思って欲しいものです。

小学校で導入された英語の授業を、1/3の生徒が好きではないと答えた時点で、何らかの対策をしなければならないはず。スタートから5年目の今年こそ、何かが変わっていて欲しいと願うばかりです。

「そろそろ何らかの対策がなされなければならない」を英訳しておきましょう。

「It is about time something was done about it.」、
今月は「It is time S' + V'過去形 ~」を取り上げます。

「It is time S' + V'過去形 ~」は「S'がV'しても良い頃だ」の意味を表します。

V'はなぜ過去形で用いられるのでしょうか。「V'しても良い頃なのに、まだしていない」という現在の事実に反することを含む表現だからです。「事実に反すること」というと思い浮かぶものはありませんか。そうです、仮定法です。

以前に学習した仮定法のパターンを思い出してください。

仮定法過去→現在の事実に反する仮定
If S' + V'過去形 ~ , S + would(could / mightなど)+ V原形 ~.
(もしS'がV'なら、SはVするだろう)

仮定法過去完了→過去の事実に反する仮定
If S' + had+過去分詞 ~ , S + would(could / mightなど)+ have+過去分詞 ~.
(もしS'がV'だったなら、SはVしただろう)

「~しても良い頃なのに、まだしていない」という現在の事実に反することを述べているので仮定法過去が用いられ、動詞は過去形で表します。

いくつか例を挙げます。

もう娘が帰宅してもよい頃だ。 It is time my daughter came home.
そろそろ会議が終わっても良い頃だ。 It is about time the conference ended.
その二国間の紛争はもうそろそろ解決しても良い頃だ。 It is high time the dispute between the two countries settled.

では、英文を作ってみましょう。

① そろそろ従業員たちがその事実に気が付いても良い頃だ。

② もうそろそろ寝る時間ですよ。

③ このレストラン、もう開いているはずなのに。

<解答例>

① It is about time the employees noticed the fact.

② It is time you went to bed.

③ It is time this restaurant opened.

英作、うまくできましたか。過去形の動詞を使うだけで、「もうその時間なのに、まだ~」を表すことができますね。

では、また来月!

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